トランプ米大統領
5月28日、トランプ米大統領は、自身が主張する「ソーシャルメディアによる検閲」を規制しようとしている。写真はホワイトハウスで撮影(2020年 ロイター/Jonathan Ernst)

[ワシントン 28日 ロイター] - トランプ米大統領は、自身が主張する「ソーシャルメディアによる検閲」を規制しようとしている。しかし法律専門家によると、これは単なる政治的な行動にすぎず、ツイッターやフェイスブックなどの会員制交流サイト(SNS)が守るべき法的義務はこれまでと変わらない見通しだ。

 トランプ氏は28日、通信品位法第230条で認められたSNS運営会社の免責範囲見直しを求める大統領令に署名した。現在はユーザーが違法なコンテンツを投稿してもSNSは法的責任を問われず、一方で合法的であっても、わいせつや、過剰な暴力や、嫌がらせなど好ましくないと判断した投稿を削除できる。

 大統領令について、連邦通信委員会(FCC)が230条見直しを受け入れるかは不透明だ、と法律専門家は話す。またたとえFCCが何らかの規制を導入しても、230条の適用を実際に判断する裁判官に対する法的拘束力はないだろう。

 スタンフォード大学のインターネット関連法専門家、ダフィネ・ケラー氏は、大統領令は具体的な法的根拠や法的影響力などまったくなく、「95%が政治的演出」の産物だと切り捨てた。

 表現の自由をうたう合衆国憲法修正第1条を扱う弁護士のマーク・ランダッツァ氏は、トランプ氏が抱く、SNSによる検閲への懸念には同意しながらも、大統領令のほとんどの部分は実行されないとみている。

 ランダッツァ氏は「これは実際に何事かをなすための青写真というよりも、指導者の声明、もしくは訓示の意味合いが強い」と述べた。