7月1日に国際標準化機構(ISO)が発行した建材中にアスベストが含まれているかどうかを調べる定性分析の国際規格(ISO22262-1)では日本が提案してきた日本工業規格(JIS)による分析方式は採用されなかった。ところが行政や一部の専門家はJIS法の正当性を主張し、一方でISO法の精度に疑義があると反発する。それはいったいなぜなのか。

日本もJIS落選に賛成

前回、アスベスト定性分析におけるISO法制定でJIS法が落選した理由は「不正確」のためとの指摘について、ISO会合で日本が披露した間違いだらけの分析結果とあわせて紹介した。この件について初めて公の場で関係者が口を開く機会が8月にあった。

 8月9日、環境省は建築物の改築・解体時におけるアスベスト対策の強化を検討する「石綿飛散防止専門委員会」を開催した。以前に週刊ダイヤモンドの記事でも取り上げた大気汚染防止法の改正に向けた動きである。3回目の会合となるこの日は、関連団体へのヒアリングを実施していたのだが、その席でのことだ。委員の1人で、ISO技術委員会の委員でもある東洋大学客員教授の神山宣彦氏が強い調子で批判した。

「毎日新聞にJIS法に欠陥があるとの記事が載ったが、むしろこの記事が欠陥だとはっきり言いたい」 

 毎日新聞の記事とは、この日の委員会の資料として配られたものだ。6月25日付けの同紙は大阪版夕刊で〈アスベスト:石綿検出、JIS法落選 ISO、欧米型を採用〉との記事を掲載。国内メディアで唯一、JIS分析法のISO法への落選を〈日本で使われている日本工業規格(JIS)の方法は欠陥があるとして、採用されなかった〉と報じていた。