コロナ専門家会議は「生ぬるい議事録方式」を捨て、動画で公開すべし新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の様子(5月14日) Photo:JIJI

政府が新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の議事録作成を怠っていたことが分かり、批判が噴出している。しかし、そもそも政策決定に重要な影響を及ぼす専門家会議の議論の内容が、「議事録」という前時代的で生ぬるい方式でいいのだろうか。本稿では、さまざまなメリットが挙げられる動画配信方式を提案したい。(経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員 山崎 元)

専門家会議に議事録なし
大いに問題だがそもそも生ぬるい

 はじめに申し上げておくが、筆者は今回、コロナ対策の専門家会議のメンバーや対策そのものについて批判したいわけではない。一方、政府は新型コロナウイルスへの対策を検討する専門家会議の議事録作りを怠ってきた。既に批判が出ている通り、重要な政策の決定に大きな影響を及ぼしているはずの専門家会議の議事録が作成されていないことについては、大いに問題だと思う。

 しかし、そもそも「議事録」という形で専門家の会議がコントロールされていることに対して疑問を呈したい。政策決定に影響を及ぼし、政策の根拠や権威を裏打ちし、さらに諸々のコストが税金で賄われる公的な専門家会議。これについて、「議事録」という前時代的で生ぬるい公開方式が許されていていいのだろうか。