家賃支援給付金が新設も、救われない「不公平の被害者」となるのは誰かPhoto:PIXTA

6月12日に参議院本会議で可決・成立した2020年度第2次補正予算にて、家賃支援給付金が新設されることとなった。所管は経済産業省で、新型コロナウイルスの影響で休業を余儀なくされた中小企業者には朗報である。しかし、家賃支援給付金では救えない先があり、早めに対策を準備する必要がある。(いちよし経済研究所シニアアナリスト 高辻成彦)

家賃支援給付金は
公平性の見地から問題がある

 従来の景気対策の施策では、国による保証付き融資であるセーフティネット保証制度が柱であったが、今回の景気対策では、個人への定額給付金に加え、中小企業向けには持続化給付金、さらには家賃支援給付金が新たに加わることになる。

 しかし、今回の新設制度は、持続化給付金に比べ、公平性の見地では問題がある。メディアで家賃負担の厳しさが取り上げられたことをきっかけに制度化されたものの、支援対象外の層があるからだ。それはどこだろうか。