どうなる景気・市場どうなる透視#2Photo:PIXTA

投資で抑えるべきはリスクとコストだ。インデックス投信は低コストで、わずかな金額から積み立て投資ができる。特集『どうなる景気・市場 どうする投資』(全10回)の#2では、インデックス投信の買い方を「これなら買っていいインデックス投信リスト」とともにご紹介しよう。

「週刊ダイヤモンド」2020年6月20日号の第2特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

 コストと運用スタイルの関係について、まずおさらいしておこう。ファンドの運用には、インデックス(パッシブ)とアクティブの大きく2種類がある。

 インデックス運用は日経平均株価などの指数に連動するような投資成果、要は“市場平均並み”を目指す。それに対してアクティブ運用は市場平均に勝つことを狙う。

 実際のところはどうなのか。アクティブとインデックスのファンドのリターン(2007~18年)を比べてみると、国内大型株ではアクティブの58勝90敗52分、外国株では同じく12勝62敗15分という結果だった。

 信託報酬が年0.6%ほどのインデックス運用に比べ、アクティブは1.6%ほどが相場とコスト高であるにもかかわらずだ。

 インデックス型がまれな国内中小型株では、アクティブが指数そのものには勝つものの、全体としてアクティブはかなり分が悪い。

 いい成績を上げたアクティブ型を見つけて、投資すればいいのではないか──。実は過去の実績も当てにはならない。

 イボットソン・アソシエイツ・ジャパンが米国株のアクティブファンド1425の運用成績を追い掛けてみたところ、最初の10年間、インデックスに勝ったアクティブが、その後の10年間でも勝利する確率は31%にとどまった。

 リターンは、ふたを開けてみるまで分からない。それに対してコストは、確実に発生する。

『これなら買っていいインデックス投信リスト111』は、つみたてNISAの対象商品として金融庁の“お墨付き”を得た、ノーロード(販売手数料がゼロ)で、かつ保有コストの低い投信からえりすぐっている。

 投資対象(スタイル)ごとに、信託報酬の安い順に並んでいるので、大いに参考にしてほしい。

 信託報酬の価格競争が進み、今や国内株式では年0.154%から、先進国株式なら年0.1022%から投資できる。

「ニッセイ外国株式」と「eMAXIS Slim 先進国株式」「SBI・先進国株式」が引き下げ競争を演じ、設定後間もないためリストから除いたが、「野村スリーゼロ先進国株式投信」は「信託報酬ゼロ%」(30年末までの10年間)をぶつける。

 無理なく、じっくりと投資を始めたい個人にとっても、こうしたコストのバトルは大歓迎である。