2016年から、次代を見据えた「4つの教育改革」をスタート。その柱となる「アクティブイングリッシュ」の成果は目覚ましく、全国各地から視察が訪れるほど注目を浴びている。高大教育連携による「進路保証」も拡充中だ。

山本三郎校長
麹町学園の一日は英語音声活動でスタートする。これは毎朝8時半から10分間、歌や英文を合唱・音読するもので、「アクティブイングリッシュ」と名付けられている英語教育プログラムの一環だ。アクティブイングリッシュは、文部科学省「英語教育の在り方に関する有識者会議」委員の安河内(やすこうち)哲也氏を英語科特別顧問に迎えて、2017年に同校が、独自に開発した英語教育メソッドだ。
「学ぶ英語から、使える英語へ」をコンセプトに、授業時間の半分以上を言語活動に充て、ICT機器もフル活用して、ネイティブの音声を頻繁に使用。英語4技能をバランスよく習得することを目指している。
アクティブイングリッシュの成果は教員や保護者が驚くほどのスピードで表れている。例えば、20年3月の卒業生のうち、約50%の生徒が英検2級以上を取得している。
「これまで自信が持てない、勉強が苦手だと言っていた生徒が、英検取得によって自信が湧き、自己肯定感が高まったのです。『友達が取れるのなら私も取れる!』『落ちて、悔しい』という気持ちを表に出し、目の色が変わりました」と山本三郎校長は生徒たちの変化を語る。
留学で選択肢を広げる
ダブルディプロマプログラム
同校が英語力の強化と並んで注力しているのが高大教育連携による「進路保証」だ。17年4月に「東洋大学グローバルコース」を新設し、東洋大学への道を開いた。現在は東京女子大学、共立女子大学、女子栄養大学、成城大学とも高大教育連携を締結し、推薦基準を満たせば、大学入試なしに進学が可能だ。
さらに20年度から「ダブルディプロマ(DD)プログラム」を導入。アイルランドとニュージーランドの計4校と提携し、1年間もしくは2年間留学することで、現地と麹町学園、両方の卒業資格を取得することができる。これにより、海外の大学と、国内では帰国子女枠で受験する選択肢が広がった。山本校長が特にこだわったのが、現地に留学して学ぶことだ。留学を通して多様な文化や価値観を持つ人々と触れ合い、広い視野と国際感覚を醸成することも目的の一つだからだ。
さらに今年は小論文を独立した教科として新設した。テーマに沿って生徒が書いた小論文を教員が添削することで、日本語での論理的な思考力や表現力を養うことを目的としている。身に付けた文章力は、AO入試や推薦入試でも役立つはずだ。
「この4年間、麹町学園の学びの中で自信を付け、自分の意見をきちんと主張し、これからの時代をたくましく生き抜く力を身に付けてほしいと願い教育改革に着手してきました。誰もが、磨けば光ります。この間で大きく変化し、生き生きと夢の実現に取り組む生徒たちの姿をたくさん目にしてきました。これからも彼女たちが誇れる母校であり続けるために、進化し続けていきたいと考えています」(山本校長)

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