“Connected(つながる)”をテーマに
PBL型で学ぶ意欲をかき立てる

和洋九段女子中学校高等学校

120年を超える歴史を持つ女子の伝統校。2017年から中込真校長の下で学校改革を推進して、グローバルクラスやPBL型授業を導入。さらに外部との境界線なく広く「つながる」活動を通して、活気のある学校に進化している。

和洋九段女子中学校 高等学校
中込 真校長

「本校の学びの特徴を一言で言えば、“Connected(つながる)”。本来、学びのフィールドには境界線がなく、学校の内外にも境目がありません。校内の学びをグローバルやローカルに広げ、さまざまな人や物事とつながることで、新しい価値を見いだそうとしています」

 そう語るのは、中込真校長だ。

 和洋九段の教育の特徴は、自由な発想を育むPBL型授業にある。教員が投げ掛けるトリガークエスチョンが生徒の好奇心を刺激し、対話型の授業が学ぶ意欲をかき立てる。受け身ではない主体的な学びの楽しさが、クラス全体の議論へと発展し、協働性やプレゼンテーション能力を育んでゆく。そのPBLが校外でも実施されている。

 和洋九段では3年前から、長野県の飯綱町(いいづなまち)・芋井地区の農家に民泊する農業体験を実施している。相互交流が深まる中で、過疎が進む同地区から“地方創生に力を貸してほしい”と言われるようになった。そこで生徒たちは現地でPBLを実施、高大連携協定を結んだ成城大学の協力も得て、地方を活性化させる“起業”に取り組んでいる。

「生徒たちは、文化背景が違う大人たちと触れ合いながら、地方の課題を解決しようとしています。授業と違って失敗も多いのですが、それが外部と“つながる”学び。生徒たちは教員の予想を超えるアイデアを持ち、自発的に課題に取り組んでいます」(中込校長)

※「PBL」……プロブレム・ベースド・ラーニング

高等学校で
「サイエンスコース」を設置

 課外活動では昨年度、中学3年の有志が、SDGs(国連が主導する持続可能な開発目標)を普及させるための“SDGsすごろく”を製作。「SDGs探究AWARDS 2019中高生部門」で優秀賞を受賞した。教室の床に広げて行う大きなすごろくで、教育や雇用を改善したらポイントが付くなど、こまの表現や組み合わせの面白さが特徴で、遊びながらSDGsの世界観が理解できる。「素晴らしい発想の取り組みでした」と中込校長は称賛する。

 カリキュラムの面では、2017年に発足した帰国生を含むグローバルクラスが順調に成長、中学3年間でほとんどの生徒が英検準2級以上を取得した。19年度から海外協定大学推薦制度「UPAA」に加入し、海外大学への進路も広がっている。また今年度から、研究者としての素養を培う「サイエンスコース」を高等学校に開設した。独自の研究プログラムやSTEAM(スティーム)※※教育を導入しながら、先端理系や医歯薬獣医系の進路を目指すコースとなる。

 控えめな生徒が多かったという和洋九段だが、学校改革を経て積極的な生徒が増えた。「内部で閉じこもっていると世界が矮小化されて、自分たちの身の回りのことしか考えなくなる。今は、視野の広いオープンマインドの生徒たちが育っています」と手応えを語る中込校長。“Connected”の意識が、同校伝統の“社会で活躍する女性”を育てている。

※※「STEAM」……Science、Technology、Engineering、Art、 Mathematics

未来教育推進機構(UMEDAI)が開催した「SDGs探究AWARDS 2019」の中高生部門で優秀賞を受賞した「SDGsすごろく」を楽しむ生徒たち
和洋九段女子中学校高等学校
https://www.wayokudan.ed.jp/
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