「知を広げる」「知を深める」をテーマに
「一中一高ゼミ」を開催

東京農業大学第一高等学校中等部

「知耕実学」を教育理念に掲げ、理論と実践を繰り返し、本物の学力を身に付ける教育を実践している。最近はそれに加えて、「一中一高ゼミ」を展開。教養講座や専門講座、教科横断型の講座を開講し、さらなる教養や学ぶ楽しさを提供している。

東京農業大学
第一高等学校中等部
川崎 剛入試広報部部長

 農大一中・一高が、ここ数年力を入れているのが「一中一高ゼミ」。「知を広げる」「知を深める」をテーマに、放課後や長期休暇などに開催される参加自由の講座である。各教員が手を挙げて、自分の興味がある分野や、ライフワークでの取り組みを生徒たちとゼミ形式で共有する。

「これは、教科にとらわれない教養や、学ぶ楽しさを身に付けることを目的にしています」と入試広報部部長の川崎剛教諭。

  昨年は、糸で曼荼羅(まんだら)を作る「数学を目で見てみよう」、医学博士でもある同校の田中越郎校長による「元医学部の先生が解説する人体の構造と機能および病気の成り立ち」など、数多くの講座が開かれた。

 教科横断型のゼミも特徴的で、英語科・社会科・音楽科による「コトバと音楽。」ではさまざまな言語で歌われている名曲の歌詞を手掛かりに、社会に対して「コトバ」の持つ影響力について考えを深めて歌うという講座も開かれた。

「教科横断型の利点は、一つの題材をいろいろな角度から見られること。教科の枠にとらわれない切り口が提示されるので、生徒たちの知的好奇心が刺激されるのです」

 農大一中・一高の理念は「知耕実学」。理論と実践を繰り返して本物の学力を身に付ける、という教育方針がある。そのため、本物に触れる体験を多く用意している。厚木の専用農場での「稲作」や、隣接する東京農業大学の研究施設を利用した「お米の科学」などがそれだ。

“1年間で理科嫌いを
ゼロにします”

「本校の理科教員たちは、“1年間あったら理科嫌いをゼロにします”という自信を持っています。理科の授業では観察や実験が多いのですが、詳細なデータの取り方は大学レベル。ただの暗記ではなく、科学的なデータを積み上げていく授業を通して、生徒たちは理科の楽しさに目覚めていきます」

 また、教育方針の特徴として、数字に表れないものもきちんと評価する、という姿勢がある。例えば中3では、自分が興味・関心のあるテーマを設定し、研究・考察して論文を執筆、研究発表を行う「課題研究発表」がある。「その研究にのめり込む生徒がいて、普段、教室では目立たない生徒でも、ポスターセッションですごく輝いたりする。そうした努力や才能を、教員や周囲の生徒たちはきちんと認め、評価をしているのです」。

 授業は双方向の生徒参加型で、教員が生徒に授業を任せることもあるという。任された生徒は、あらかじめ知識を蓄え、人前でうまく話せるように準備をする。2年前からはキャリア教育コンテンツの「エナジード」も導入され、対話型の取り組みはますます増えた。

「本校には、生徒が教員を敬いながらも距離が近いという特徴があります。卒業生が教員になる例も多く、私もその一人。みんなで学校を良くしていこうという校風があります」(川崎教諭)

教科にとらわれない教養や、学ぶ楽しさを身に付けることを目的にした「一中一高ゼミ」
東京農業大学第一高等学校中等部
https://www.nodai-1-h.ed.jp/
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