本当に子どもの力を伸ばす学校

国際教養コース・未来創造コースを新設
新校長就任で学校改革が進展する

東京女子学園中学校・高等学校

2023年に創立120周年を迎える伝統校。東京府(当時)下で初めて設置された普通科(4年制)の私立高等女学校である。今年度、新校長を迎えて新しく二つのコースを新設。世界とつながる国際人の育成を目指すため、常識にとらわれない学校改革がスタートした。

東京女子学園 中学校・ 高等学校
河添 健(たけし)校長

 東京女子学園に新校長が就任した。河添健校長は数学者で、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)総合政策学部の学部長を務め、約30年間SFCで教育改革に取り組んできた。今年度からは、新校長として東京女子学園の教育改革の指揮を執る。

「本校は2023年に創立120周年を迎える伝統ある女子校。“人の中なる人となれ”という教育理念を受け継ぎながら、これからの時代にふさわしい能力と見識を持つ女性の育成のため、思い切った教育改革を進めていきたい」と抱負を語る。

 河添校長が目指しているのは、偏差値を重視する従来の教育から脱却し、基礎から発展までの文理一体となった教育を重んじ、知性と教養を身に付けた国際人を育てることだ。「目標は日本一の学園になることですが、それは必ずしも大学進学の実績で判断されることではありません。私が考える国際人とは、どのような進路や生き方を選ぶにしても、常に国際的な視点や価値観を持って、物事に取り組める人。たとえ家庭で子育てをしていても、“地球思考”を持ち、世界のあらゆる人とつながりを持てる人のことです」。

 “地球思考”とは同校の教育理念の一つで、地球規模の広い視野を持ち、より良く生きる力を身に付けることを課題とするもの。これまでも、SDGsをいろいろな形で掘り下げる「地球思考・SDGs探究プログラム」を実施してきた。今後も“地球思考”は同校の学びの中心となる。

数学嫌いをなくして
考える力を養いたい

 学校改革のスタートとして、今年度から二つの新コース「国際教養コース」「未来創造コース」が開設された。前者は外国語の習得を軸にしながら文系的な学びを実践し、後者は “地球思考”の探究学習を取り入れながらデータサイエンス的学びも実践していく。「とはいえ、二つのコースを文系、理系と明確に分けるつもりはありません。カリキュラムを柔軟に交差させながら、生徒たちが学びたいことを実現させていくつもりです」と河添校長。

 また、数学者としての立場から、数学嫌いをなくしたいという計画を持つ。○×式の能力判定から離れ、数学が持つ創造的な楽しさを教え、考える力の養成に取り組むのだ。

「数学に求められるのは計算能力ではなく、答えのないものを発見する創造力。その意味で芸術に近いセンスが必要で、実際にギリシャ時代は数学も芸術も同じ哲学の分野にありました。数学本来の楽しさを知ってもらうため、例えば数学とアートが融合したデータビジュアライゼーション(データ可視化)を中高生向けにアレンジ、DSDAの授業なども行う予定です」。

 現在の閉塞した日本社会を変えるのは、広い視野を持つ女性の力が必要だという信念を持つ河添校長。創立120周年に向けて新校舎の建設も予定されている東京女子学園。新校長の下で新たな時代が始まろうとしている。
※「DSDA」……データサイエンス・デザインアーツ

東京女子学園中学校・高等学校は、普通科の私立高等女学校として東京で最も長い伝統を誇る。創立120周年に向けて、思い切った教育改革が始まっている

東京女子学園中学校・高等学校
https://www.tokyo-joshi.ac.jp/

本当に子どもの力を伸ばす学校
TOP