人は人の中でしか育たない。
ESDとCLIL(クリル)で世界を広げる

横浜女学院中学校 高等学校

横浜の山手の丘に立地する横浜女学院。「愛と誠」を校訓に掲げ、キリスト教精神に基づく人間教育を行っている。2018年度に国際教養クラスとアカデミークラスを新設、先駆的なESDとCLILを導入して“英語で学ぶ”授業を展開、国際的な視野を持つ人材を育てている。

横浜女学院中学校
高等学校
平間宏一校長

 2018年度から、生徒一人一人の個性や目的意識に応じて「国際教養クラス」と「アカデミークラス」を設置した横浜女学院。その教育の核となっているのが、ESDとCLILという二つのプログラムだ。ESDは“持続可能な社会の発展のための教育”を核とした取り組み、CLILは教科学習と英語学習を組み合わせた内容言語統合型学習のこと。これらを通して、英語運用能力や国際的な視野を豊かに養成していく。

 CLILでは、ESDと連動して英語で国際問題を探究する。持続可能な開発目標であるSDGsに基づきながら、生物多様性や多文化共生、エネルギー問題などについて、フィールドワークや調べ学習を行い、意見交換し、プレゼンテーションを行う。中3のニュージーランド海外セミナーでは、姉妹校生と共に英語でディスカッションを行う。

 CLILの特徴は、英語を学ぶことではなく“英語で学ぶ”こと。そのため他教科でもCLILを導入している。例えば生物の授業ではドイツ・マインツ大学の先生を招いて免疫をテーマに感染症防止対策の発信方法を検討、美術や聖書の授業でも英語で学ぶことを実践している。

 英語科の白井龍馬教諭は、「もともと本校では“使える英語”にこだわりを持ち、知識にとどまらない英語力が身に付く授業を行ってきました。中1・2で基礎を徹底、中3からのCLILの導入で、生徒たちは英語を使うことにますます抵抗がなくなり、行動力と創造的思考力を発揮するようになっています。表現を意識させることで、語彙力やスピーキング力が向上し、英検やGTEC※でも結果を出しています」と手応えを語る。

日本語だけが通じる
世界は小さ過ぎる

 横浜女学院が大切に考えているのは、「持続可能な社会を創る価値観」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「データを読む力」「代替案の思考力」「総合的な思考力」という六つの力を育むこと、自己肯定感の確立と他者理解(他者への愛情)の実行だ。

 平間宏一校長は、「私の教育の信条は、“人は人の中でしか育たない”ということ。生徒たちは学校生活を通して、楽しい思いも嫌な思いも経験しながら成長していきます。そのコミュニケーションの媒介となるのが言葉です。言葉には魂があり、強い力を持ちます。だからこそ、英語を学ぶときも、ただ意味が分かるだけでなく、言葉の中に流れる“気持ち”を感じることが大切だと思うのです」と語る。

 同校では本年度からオリジナルの英単語集「オリタン」を配布。英語の語源から英語を理解しようという試みもスタートした。「日本語だけが通じる世界は小さ過ぎます。生徒たちには、習得した語学力を使って、より大きな世界を幅広く経験しながら、一人一人に与えられた神様からのギフト(贈り物)である才能を伸ばしてもらいたいと考えています」(平間校長)。

※「GTEC」……Global Test of English Communication

CLILの時間の1コマ。テーマ性のある課題に対して英語で協働しながらアプローチしていく

 

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