本当に子どもの力を伸ばす学校

“学ぶ喜び”と“与える喜び”を
子どもたちに伝えたい

多摩大学附属聖ヶ丘(ひじりがおか)中学高等学校

少人数できめの細かい指導に定評があり、本物から本質に迫る教育を実践している。2018年度から、授業の枠の外で“学び”を楽しむ、体験型のサマーセミナー「A知探Q」〈叡知(えいち)探究〉をスタート。教員たちが一丸となって“学ぶ楽しさ”を生徒たちに伝えている。

多摩大学附属聖ヶ丘 中学高等学校
石飛一吉(いしとびかずよし)校長

「私が子どもたちに伝えたいのは、二つのこと。学校生活の中で、“学ぶ喜び”と“与える喜び”を味わってもらいたいということです」。石飛一吉校長はそう語る。

“学ぶ喜び”とは、文字通り学ぶことの面白さを知ることで、生徒たちには「知の冒険者」になってほしい、と願っている。そのために多摩大聖ヶ丘では、毎年夏の期間、「A知探Qの夏」という講座を開催。これは教員たちが、各自の専門性を生かして、教えて楽しいと思うことを、全力で生徒たちに届ける講座である。「面白くなければ子どもたちに学びを与えられない」という考えの下、教員たちは各自30秒の動画を作って自らの講座をPRする。

 例えば数学教員の「電車でGO!」講座は、実際に電車に乗ってスピードメーターで始発点から終点までの距離のデータを取り、数学的・理科的な考え方を学ぶ。理科・家庭科教員による「美味(おい)しいプリンの科学」講座は、美味しいプリンの作り方を“科学的”に探究する。石飛校長が開催したのは「プレゼン特訓」だった。例えば市販の“子ども向けの麦茶パック”がいかに美味しいかをそれぞれの視点でプレゼンする。「素材がシンプルなだけに、面白い発想や視点がたくさん出てきました。プレゼンの道具はあえてスケッチブックだけ。アナログはごまかしが利かないだけに、本質的なアイデアの勝負になり、楽しい講座になりました」(石飛校長)。

学ぶ喜びを知り、
いかに社会貢献できるかを考える

 もう一つの“与える喜び”とは、社会貢献のことだ。自分たちが学んだことを、いかにして社会に還元していくか。早くから社会貢献の意識を持つことは、学ぶことの意味を知ることにもつながり、自らのキャリアを考えるきっかけにもなる。

「一般のキャリア教育では、先に職業があって、その職業に就くためにはどの大学に行けばよいのかと考えますが、本来大学とは学ぶために行くところ。学ぶ喜びを知って、その学びで、いかに社会貢献できるかを考えるのが、真のキャリア教育だと思うのです」と石飛校長は語る。

 その“与える喜び”にも関連するのが、中学から高校への進学要件である「卒業論文」の作成だ。生徒たちは自分でテーマを自由に設定し、約1年かけて4000字以上の論文を書き上げ、論文を通して、近未来をどのように生きるかを考えるのだ。

 多摩大聖ヶ丘は1学年120人という、都内でも小規模の共学校だ。少人数故に、教員たちは全員の顔と名前を覚えており、きめの細かい指導が可能になる。もともと学校内外で活躍する生徒が多く、昨年度からは部活動以外で個人的に活躍したケースでも、学校で表彰することになった。「多様性とは人との違いを知るだけでなく、自分の中の多様性に気付くこと」という信条を持つ石飛校長。子どもたちの多様な才能を伸ばすために、“学ぶ喜び”を伝える教育を展開している。

昨年は全34講座が開講された「A知探Qの夏」講座。各教科の教員が、自らの好奇心に基づいてテーマを設定、各分野で本質に迫る探究をする。写真は「電車でGO!」の様子

多摩大学附属聖ヶ丘(ひじりがおか)中学高等学校
https://www.hijirigaoka.ed.jp/

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学校データ

多摩大学附属
聖ヶ丘(ひじりがおか)中学高等学校
共学校
最寄り駅
小田急線・京王線「永山」より、
京王バス聖蹟桜ヶ丘駅行き
(聖ヶ丘団地経由)「多摩大学」下車
京王線「聖蹟桜ヶ丘」より、
京王バス永山駅行き
(聖ヶ丘団地経由)「多摩大学」下車
〒206-0022
東京都多摩市聖ヶ丘4-1-1
042-372-9393
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