教員の意識改革で進学実績が急上昇、
「超一流校」への道を歩む

東京都市大学付属中学校・高等学校

東京都市大学付属中学校・高等学校就任3年目を迎えた長野雅弘校長は、教員の意識改革から着手、生徒たちに学ぶ楽しさを教え、男子教育に徹して進学実績を急成長させている。受験者数も都内でトップクラス、今、注目の男子進学校だ。

東京都市大学付属
中学校・高等学校
長野雅弘校長

「本校は愚直ともいえるほど、男子教育に徹しています。男子には男子向けの教育があることは実証されていますし、実際に成果が出ています。中等教育の間の男女の成長差が顕著になってくるときこそ、別学での教育が適しているのです」

 そう語るのは長野雅弘校長だ。都市大付属はここ数年、進学実績が急上昇している。今年度は卒業生238人中、現役生だけで、東大4人、京大2人を含めて国公立大66人、早慶上理で186人の合格者を出した。上位大学への前年比伸び率では首都圏でもトップクラスだ。

 なぜ進学実績が伸びているのか? 長野校長は、教員の学ぶ姿勢が生徒に好影響をもたらしているからだと説明する。「私が校長に就任して以来(一昨年度)、希望する先生には大学院に通わせるなど、自らの学びを奨励しています。先生たち自身が改めて“学ぶことは楽しい”と実感し、授業中にはつらつとしていると、生徒たちも必然的に学ぶことが楽しくなります。これを、教育心理学で“潜在的カリキュラム”といいます。教育の原点は対面教育なので、まず先生たちの意識を変えることに力を注いだ。その結果が、進学実績に結び付いてきたと考えています」。

第1志望は諦めさせず
最後まで応援する

 将来のビジョンをはっきりと持たせるためのキャリア教育も、都市大付属の大きな特徴だ。単なる進学指導ではなく、主体的に自分の進路を決定できる能力を身に付けることを主眼とする。そのため、中3で、1年間の「キャリア・スタディ」に取り組む。企業研修や社会人インタビュー、自分史作成を経てキャリア・スタディ発表会を行う。また高1では「中期修了論文」と呼ばれる4000字以上の論文執筆を行う。テーマを設定し、仮説を立て、文献調査やフィールドワークを行いながら、自らの力で結論を導き出す。

「中期修了論文の優秀作を読み返してみると、なぜその生徒がその大学・学部に進学したのかがよく分かります。キャリア・スタディや中期修了論文を通して、今の自分を見つめ、将来の職業や進路に目を向けることが、進学への大きな力になっているのです」(長野校長)

 長野校長が生徒たちに求めるのは、「自立と自律」だ。自立とは、大人に依存しないで行えるようになること。自律とは、他者の判断や指示によらず、自分自身で判断し行動すること。「自己決定を行うことで、失敗や苦しみに直面することはありますが、子どもたちはそうした緊張や安堵から“生きる実感”を得る。それが健全な精神の発達につながるのです」。第1志望は諦めさせず最後まで応援するのも、同校の教員たちの姿勢だ。

 超一流校とは、進学実績だけでなく、生徒も教員も健全な精神と良い思い出を持って“卒業”できる学校だと長野校長は定義する。部活動も含めて生徒たちは伸び伸びと学校生活を送り、それぞれの人生に進んでいく。

「トシコー」の生徒と教員との距離が近く、廊下や校舎のそこここで、相談や立ち話などをしている姿が見られるという
東京都市大学付属中学校・高等学校
https://www.tcu-jsh.ed.jp/
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