“0.5点”東京大学合格に届かず 
確かな成長と“0.5点”を埋める改革

成立学園中学・高等学校

男女共学化、中学校の開設という大きな学校改革を経てきた成立学園。今年度から海外大学を視野に入れた「探究クラス」を設置、個別学習支援サービスを導入するなど、第3の学校改革に着手。中高一貫6年間の教育が、年々進化している。

成立学園中学・高等学校
福田英二校長

「2年連続で中学校からの内進生が卒業式で優等賞を取る(主席卒業)など、中高一貫6年間の学びの成果が出始めています」。福田英二校長は、そう手応えを語る。

 成立学園はこれまで大きな学校改革を2回実施してきた。第1弾は2004年の男女共学化、第2弾は10年の中学校の開設。そして今年度、第3弾の学校改革をスタートする。「これまでの学校改革と違い、今回は内部の改革を行います。一言で言えば、教員が生徒のペースメーカーとなって並走すること。これまでは、生徒とスクラムを組んで一緒に押し上げるスタイルでしたが、少し距離を置いて生徒の自立を促すように導く。そうしなければ、生徒本来の力を最大限に発揮させられないと考えたのです」(福田校長)。

 今春、東大に挑戦した内進生が、自己採点でわずか0.5点足りずに不合格になった。その0.5点にこだわり、それを埋めるためには、生徒を“独り立ち”させる必要があると感じたのだ。

 具体的には、全学年を対象に放課後の自習のための、STSC※を開設。これは、個別学習支援として“スクールTOMAS”とタッグを組み、学力向上をサポートするシステムだ。「“張り付いて”指導していた教員は、生徒の成長を俯瞰(ふかん)しながらリードする役割に変わり、個別学習が、より促進される体制になります」と福田校長は意気込みを見せる。

「見える学力」「見えない学力」の
両輪で教育を進める

 成立学園が従来から大切にしているのは、「見える学力」と「見えない学力」を両輪で学んでいくことだ。「見える学力」とは、教科を中心とした知識習得型の学びであり、テストの成績や大学への進学という具体的な結果として表れる。一方の「見えない学力」とは、好奇心に基づく自己探究型の学習によって身に付くもので、幅広い教養と問題解決力、そして発信力のベースとなる。

「見える学力」の取り組みとして特徴的なのは、初年度教育を重視し、短期・中期・長期の三つの繰り返しサイクルで、取りこぼしをなくし、学習習慣の定着を図っていること。男女の成長のペースを考え、中学の数学の授業を男女別学で行っているのも特徴の一つだ。

「見えない学力」の取り組みでは、伝統的な「アース・プロジェクト」と「ナショジオ学習」を実施している。前者は、本物に触れる、実際にやってみるという体験的アプローチと、他者とのコミュニケーションを重視する相互的アプローチを実現するプログラム。米を栽培する水田学習や、富士山を探検するチャレンジキャンプ、海のフィールドワークや、屋久島や種子島を訪問するアース・ツアーなどが企画・実施されている。

教科書では学べない「発見」「驚き」「感動」を共有するアース・プロジェクト。米を栽培する水田学習(写真左)と種子島の宇宙センターで(写真右)

 後者は、地球規模の教養を身に付けるために、月刊誌「ナショナル ジオグラフィック日本版」を教材として、自分なりの課題を見つけて調査・分析・考察を行い、発表・プレゼンテーションをするというもの。ちなみに同校は、日本で唯一の“ナショナル ジオグラフィック教育実験校”になっている。

※「STSC」……Seiritz school Tomas Study Center。校内完結型の学びで文武両立を目指している

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