女性らしさを磨くのが女子教育ではない
発信力を備えた女性を育成する

日本大学豊山女子中学校・高等学校

日本大学付属校で唯一の女子校である豊山女子。柳澤一恵校長の下“女子にしばられない”教育を推進している。双方向授業や探究学習、国際交流教育などを通して、考える力を養い、発信力を身に付ける。“元気のある女子校”が、さらなる魅力を加えている。

日本大学豊山女子中学校・高等学校
柳澤一恵校長

「一番の変化は、生徒たちが発信する力を付けてきたことです。ともすれば女子は、他人の意見を受け止めたまま、黙ってしまう。受け入れる力も大切ですが、その意見を自分の中で咀嚼(そしゃく)し、自分なりに考え、自分の意見をまとめて発表する力も大切です。プレゼンテーション力を含めて、本校の生徒たちは、その発信力がとても伸びていると実感しています」

 そう手応えを語るのは、柳澤一恵校長だ。かつて、進学先の日本大学の先生から、「(豊山女子出身の学生は)人前で発表するときに躊躇(ちゅうちょ)する様子がある」と言われたこともあったが、今は全く聞かなくなったという。その背景には “女子にしばられない”教育を実行する、さまざまな取り組みがある。

課題解決力と発信力を伸ばす
カリキュラムを用意

都内の女子校で唯一の理数科を持つ。生徒の多くは医療系や理工系分野へ進学する

 中高6カ年一貫教育を実施する同校では、高校で進路に応じて三つのクラスに分かれる。国公立大や難関私立大を狙う「A特進クラス」と、日本大学への進学を中心とした「N進学クラス」、理数分野のスペシャリストを育成する「理数Sクラス」だ。

 いずれのクラスでも、豊山女子の学びの特徴は、課題解決力と発信力を伸ばすカリキュラムにある。その一つが、探究学習。中学では課題を見つけ、探究の結果を発信する基礎を学び、中学3年の3月に全員が「卒業発表」を行う。高校では、自ら設定した課題について長期にわたって研究を行い、同様に発表会を行う。研究の中では、他大学へ訪問したり、教授からの講演を受けたり、考えを深める機会をたくさん用意している。

全国理数科教育研究大会でのポスターセッション。他校との交流会もある

「次世代型キャリア教育教材であるENAGEED(エナジード)の導入をはじめ、ICTの積極的な活用もプレゼンテーション能力の向上に貢献しています。本校では、2017年度からiPadを1人1台貸与して、各教科で双方向の授業を展開、人の話を聞いて自分の意見を発表することに慣れてきました。もはや人前で緊張したり、尻込みしたりする生徒はいないと思います」と柳澤校長。

 研究発表では、校外にも積極的に出て行く。昨年度は「理数Sクラス」の生徒たちが、全国理数科教育研究大会に参加し、課題研究の成果をポスターセッションで発表。参加した他校の生徒同士で質問し合う交流会もあり、そこでも発信力が発揮された。

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