都区部では新規着工する賃貸住宅のうち、アパートは半分を割り込み、賃貸マンションの方が多くなった。その多くが分譲マンションを供給してきた、大手のデベロッパーが開発している。分譲のノウハウが賃貸に盛り込まれ、その提案力から家賃が上がるようになってきたのだ。

 こうなると、差別化された物件は相場よりも高い家賃が設定されても、顧客の心をつかんでいる。これまでの相場より高いとはいえ、満室までの期間が長引くわけでもない。その構造・設備・仕様についても、分譲マンション並みのホームページがつくられ、常に新築分譲マンション並みのアピールがされるようになった。こうして、地主のための賃貸住宅から、入居者のための賃貸住宅が増えてきたのだ。この2つは、容易に判別することができる。

賃貸の高品質化はいいことだが……
「家活」という選択肢も考えよう

 賃貸住宅が高品質になり、住み手のニーズを満たし始めたことは格段の進歩だ。しかし、冒頭で述べた通り、年収に占める家賃負担率が25%は高い。20%程度ならわかるが、25%が平均で、人によっては40%に上る人もいる。連帯保証人の代わりに家賃を保証している会社も、よくそこまで認めるものだと呆れる水準だ。そこまでの額を支払うなら、別の選択肢がある。

 独身の人が積極的に家を購入することを、私は「家活」と名付け、それに関する著書も出している。そこでの論旨は、「家賃はムダでしかないので、独身時代から家を買って、結婚などを機に住み替えて儲けよう」というものだ。

 都心立地の物件は、単身用といえども30平方メートル以上なら住宅ローンが使えるので、売るのも容易で資産価値が保たれやすい。せっかく家にコストを投下するなら、自分の資産になるものの方がいい。

 たとえば、狭い物件でも港区に買えば資産価値はほぼ落ちないので、住宅ローンの返済額は、売却時に貯金していたかのように返ってくる。持ち家は「結婚してから」「子どもが産まれてから」と考えるのはもう古い。究極のリア充である自宅の購入も、1つの選択肢として考えてみることをお勧めする。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)