「働いてもちっとも楽にならない」
あなたの仕事はシュリンクしていないか

「働いても働いても、生活が楽にならない」

 それは気のせいではない。日本の多くの業界は今、先が見えない「構造不況」の暗闇の中にいる。

「失われた20年」と呼ばれる景気停滞が続き、ここ数年はリーマンショック後の消費低迷、欧州危機に端を発する深刻な円高などにより、多くの企業は業績不振に陥っている。苦境に輪をかけるのが、グローバル化や規制緩和による競争の激化だ。

 市場が早いスピードでシュリンク(萎縮)する一方、生き残り競争は熾烈になっていく。将来的には、少子化や人口減少により、この傾向はさらに強まるだろう。もはや、景気循環だけによる苦境ではない。構造的な「負のループ」が始まっているなか、事業モデルの転換が求められている。

 シュリンクする業界で働く人々にとって、業績アップ、収入増、労働環境の改善などを目指すことは難しい。このまま構造不況が続けば、会社員ならリストラ、個人事業主なら廃業の憂き目に遭いかねない。

 そんななかでも、他人と違うアイディアを考案したり、誰も気づいていないビジネスを見出すことで、必死に生き延びようとする人はいる。「経済環境が悪いから、どうにもならない」「会社が悪い、上司がダメだ」と身の不遇を嘆くだけでは、沈んでいく一方だ。

 この連載では、シュリンク業界で絶望し、起死回生を図るビジネスマンや個人事業主の生の姿を描くことを通じて、私たちがビジネスで心得るべきヒントや教訓を考えていく。

 あなたは、生き残ることができるか。