ウォーレン・バフェット氏Photo:Bloomberg/gettyimages

――WSJの人気コラム「ハード・オン・ザ・ストリート」

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 何カ月も静かに物色していたウォーレン・バフェット氏が、ついに買うべき対象を見つけた。

 バークシャー・ハザウェイは5日、ドミニオン・エナジーの中流エネルギー事業(天然ガス輸送・貯蔵)を97億ドル(約1兆0410億円、債務を含む)で買収することに合意したと発表した。ドミニオン・エナジーは電力事業に軸足を移している。この買収はバフェット氏の得意分野だ――自身がよく知っており、古く、見向きもされなくなった企業である。

 ドミニオンが6年越しのアトランティック・コースト・パイプライン・プロジェクトに別れを告げる計画と同時に今回の発表をしたのは偶然ではないだろう。規制面での不確実性が高すぎるとしている。そうした懸念は多くの大型プロジェクトについてまわっている。目立ったところでは、連邦裁判所が6日、環境レビューが終わるまでダコタ・アクセス・パイプラインの閉鎖を命じた。ドミニオンは、今回の契約で石油・ガス事業と決別する。投資家は納得していないようだ。6日の株式市場でバークシャー株は2%超上昇した一方、ドミニオン株は11%下落した。