NTTドコモ吉澤和弘社長Photo by Toshiaki Usami

コロナ禍で携帯ショップの来店客が激減したNTTドコモが、リモート型社会への急速な転換でビジネスチャンスを探っている。吉澤和弘社長はダイヤモンド編集部のインタビューで「2~3年後だと思っていたものが、コロナによって今すぐに必要とされるようになった」と述べ、遠隔ワーク、遠隔教育、遠隔医療の分野の通信ビジネスを強化する方針を示した。次世代通信規格「5G」対応スマートフォンの戦略とともに、4月に携帯事業に本格参入した楽天モバイルについても語っている。(聞き手/ダイヤモンド編集部 村井令二)

ショップの来店客の激減で
オンライン比率が一時50%超え

――緊急事態宣言に伴ってドコモショップの営業時間を短縮して来店客が激減しました。すでに通常営業に戻りつつありますが、ビジネスにどんな変化がありましたか。

 5月に入って来店客は70%減という状態になりましたが、緊急事態宣言が解除された5月25日以降に徐々に復活してきました。6月から営業時間や受け付け業務を元に戻したので来店客はコロナ前の7割まで戻り、今ではだいたい8割くらいに戻っています。

 まだ来店には予約が必要ですし、お店のテーブルの位置やイスの配置も広くしていて、ショップのスマホ教室も完全にストップしている。前よりお店に入れる人数が少ない。そんな状態なので、これからもなかなか元には戻らないでしょう。

 一方で、コロナによってオンラインの注文数が増えました。数字だけ見れば、緊急事態宣言の中でオンライン比率は50%を超えた。それもショップの来店客が減ったので一時的に上がっただけですが、オンラインの顧客コンタクトはこれからも増やしていかなければなりません。