ゼネコンwithコロナ#7Photo:Richard Baker/gettyimages

2019年度は踊り場で、20年度から再び好転すると見込んでいたゼネコン業界の景況感はコロナで一変した。それでも他産業よりは時間があるため、業界には楽観論者も多い。特集『バブル崩壊 ゼネコンwithコロナ』(全7回)の最終回では、主要会社の最新決算、特に実績も予想も「減少」ばかりとなった受注高に注目した。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

「2019年度は踊り場、
20年度から回復」のはずが…

 新型コロナウイルスの感染拡大がなければ、建設業界は東京オリンピック・パラリンピックイヤーの反動で旺盛な再開発工事が一服する2019年度は踊り場で、そして20年度から回復するとみられていた。

 しかし、ふたを開けてみると様子は一変した。

 中堅ゼネコンのナカノフドー建設は、取引先がコロナ危機で倒産し、その影響を受けた。ナカノフドーが工事を請け負っていたホテル運営会社のWBFホテル&リゾーツが4月、大阪地裁に民事再生法の適用を申請し、同日に保全・監督命令を受けたもので、ナカノフドーは未収請負金が14億円発生した。

 コロナの影響で海外連結子会社の決算業務が遅れたことを理由に発表が約2カ月遅れたナカノフドーの19年度決算は、売上高1170億円で前年度比0.1%減、純利益29億円で前年度比26.5%減。コロナ危機により海外で工事が中断されたことなどが影響し、大幅減益となった。今期はさらに減益を予想している。

 では、大手ゼネコンの最新決算と今期見通しはどうか。