バンコク発ビジネス・生活情報誌『DACO』編集部のタイ人経理部長、ブン(女性)が日タイの架け橋となるべく在タイ日本人からの質問に答えます!
(前略・および文中一部略)1年半前に引っ越してきた現在のコンドミニアムの住居ルールに実は「ペット禁止」とする規則が含まれていたということがわかって、犬を飼っている私は、ショックを受けています。
でも住人の中で、賃貸人、部屋のオーナーともにかなりペットを飼っている人がいます。ひとりのオーナーに売買契約書に「ペット禁止」の条項は含まれていたか聞いてみたところ、その方の契約書には記載されていたようですが私が結んだ賃貸契約書には、その条項は記載されていません。だから入居したのです。
そもそもマネージャーは入居時に私が犬を買うことを認めていますし、エレベーター正面には英語とタイ語で「ペットを飼う人は、マネージャーの許可を取って下さい」と明記してあります。
そしてこの「ペット禁止」が本格的に実行されるか否かは、今、住民に配布されているアンケートの賛成不賛成の投票で決まるようなのです。仮に「ペット禁止」の条項が可決されたら、ペットを飼っているオーナー、そしてまだ契約期間が残っている賃貸人の双方はペットとここに住めなくなるのでしょうか?
素人の私から言わせれば、今までペットを飼うことを認めていたのに急に規則を変更して出て行けと言うのはおかしいと思うのです。ペットを飼っているオーナーはペットと住めなくなるし、契約時にペットを飼うことを認めていた訳ですから契約満了まで住むことは可能ですか?
また、現在配布しているアンケート用紙を全住人に目を通してもらう法的な義務はコンドミニアム側にないのでしょうか?(L.S.さん)
【ブンからの回答】
まずは賃貸契約書を精読
住民投票はこの場合、どのような結果であっても法的に何の拘束力も持ちません。契約書がすべてです。L.S.さんの賃貸契約書ですが、コンドミニアムの管理側と結ばれたものと推察します。
契約書の最後の方に「内容に関しては管理側が借主の了解を得ず、変更できる」とか「本契約書に記載のないことは管理側が決定できる」というような文はありますせんか?
もしあれば、管理側に従わざるを得ません。なければ契約終了まで居座ることができるでしょう。
このたびの事情を読み取る
なぜ今になってこのような規制が発生したのか。それは「ペット禁止」ということで物件を買ったのに、実際にはペットが容認されているとL.S.さんと正反対の立場の方からのクレームが管理側にあったからだと思います。
エレベーター前の張り紙はマネージャーに容認されたというだけで契約上のペット禁止の事項がなくなったわけではありません。
住民投票は、管理側がペット の反対派と賛成派との直接交渉の板ばさみになりたくない。そしてできるだけ穏便に済ませたいからです。多数決によって解決することではありません。これに よってペットが容認されたら、反対する人は契約をタテに立ち向かうでしょう。
この辺の事情を洞察し、管理側を通してクレームをしている人に、ペット派が団結して誠心誠意を見せるのが一番だと思いますよ。

(文・撮影/『DACO』編集部)
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