また、インターネット上では、以下のような議論も盛り上がっている。

・家電や自動車などの製品において、今や韓国は日本にとって最大のライバルの1つ。家電不況の背景にも韓国企業との競争激化がある。日本の経済制裁によって韓国企業の勢いが削がれるのは、むしろプラスではないか。

 これらは、一面の真実には違いない。しかし、外務省のデータによると、日本にとって韓国は第3位、韓国にとって日本は第2位の貿易相手国であり、二国間の貿易総額は約8兆4400億円に上っている。この数字を見れば、GDPにおける比率のみを取り上げて、パートナーシップの軽重を論じることはできないように思える。

 また、何かと日本との競合が指摘される韓国製の商品やサービスが、一方で低迷する日本国内の消費を盛り上げている一面もある。韓国人が日本のサービスを消費するインパクトもバカにならない。家電、食品、旅行、美容、エンターテインメントなどの分野が代表的だ。

 経済制裁などによって、両国の「火薬庫」である竹島問題がこれ以上こじれれば、日本が被る経済的なデメリットはやはり小さくないように思える。実際はどうなのだろうか。

経済パートナーシップは冷え込まない?
日韓関係を冷静に見つめる専門家も

 ここに来て日本政府は、日韓通貨スワップ協定の延長見直し、国債購入の凍結などを、本格的に議論の俎上に載せている。そもそも足もとで、今回の騒動が日本経済に与える影響はどれくらい出ているのか。前出の向山氏はこう説明する。

「日本企業は、現在の状況を注意深く見守っています。商談や見本市などは変わらずに続いており、韓国へ投資して操業する企業が、今回の事態を受けて事業を中止にしたという事例は、ほとんどありません」

 竹島問題をはじめ、日韓の揉め事は靖国問題や教科書問題など、今まで何度も起きてきた。その都度、両国の経済界は、「政治の関係が悪い時期だからこそ、お互い関係を緊密化しよう」というスタンスで動いてきた。

「結果的には、『政治は政治、我々は我々でやっていこう』という動きになると思います。中国でも大規模な反日デモが起きていますが、日韓では冷静な対応が維持されていくと思います」(向山氏)