東京戦後最長と言われた日本の景気拡大は、実はとっくにピークを迎えていたかもしれない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

もともと分かっていたことだが
景気の山は2018年10月だった

 報道によれば、内閣府の経済社会総合研究所は、景気動向指数研究会を早ければ7月中にも開催し、2018年10月を景気の山と認定するようだ。景気後退がすでに2年近く続いていたことになるが、それ自体は驚く話ではない。経済指標の動きを見れば、この結論はもともと分かっていたことだからだ。

 経済社会総合研究所では、景気動向指数CI・一致(現在9系列)の個々の系列が上昇しているか、下降しているかを判定し、その比率を示したヒストリカルDI(全系列上昇していれば100%。全系列下降していれば0%)を作成している。ヒストリカルDIが50%を下回ると、その前月が景気の山の候補となり、有識者からなる景気動向指数研究会が開かれることになる。

 景気動向指数研究会では、ヒストリカルDIなどに基づき、経済活動の収縮が「波及度」「量的な変化」「期間」の点から見て景気後退と呼ぶにふさわしいか、つまり景気の山と認定すべきかを検討する。

 今回はこの3つの基準を満たしており、景気の山が認定されるのはほぼ確定だ。今回からCI・一致系列に輸出数量指数が加わることになるが、それでも2018年10月を山とする判断に変わりはないだろう。