障害者施設「津久井やまゆり園」前に設置された献花台で、花を供える参列者(7月26日撮影) 障害者施設「津久井やまゆり園」前に設置された献花台で、花を供える参列者(7月26日撮影) Photo:JIJI

神奈川県相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園(社会福祉法人かながわ共同会)」は、元職員だった植松聖死刑囚が45人を殺傷した事件後、5年目を迎えた。津久井やまゆり園での利用者支援の実態を検証する動きと、仮移転している同園芹が谷園舎での現在を紹介する。(医療ジャーナリスト 福原麻希)

津久井やまゆり園の施設の実態を
検証する動きの中で出てきたこととは

 植松死刑囚が「意思疎通が取れない障害者(名前・住所・年齢を言えない人、植松死刑囚独自の考え方)はお金と時間を奪うからいらない」と殺害したことについて、一連の裁判では犯行に至るまでの経緯が多少明らかにされたが、それは傍聴席の人にとって、まったく納得できるレベルではなかった。

 判決文に「自分自身が障害者施設で勤務していた経験を有していたこともあって」「その考えは被告人の体験を踏まえて生じたものであって」などと書かれたことから、津久井やまゆり園は利用者に対してどのような支援をしていたか、同園での日常が注目されている。

 例えば、元利用者の話を紹介しよう。