コロナで投資熱が冷める熱海のホテル開発コロナで投資熱が冷める熱海のホテル開発 Photo:PIXTA

東急不動産が7月、日本有数のリゾート地である静岡県熱海市で進めていたホテル開発の計画を取り下げた。少し前まで日本と中国の投資家がホテル開発用地をめぐり争奪戦を繰り広げ、不動産取引価格も局所的に高騰しバブル状態だったが、コロナショックで様相が一変。一気に熱が冷めている。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

東急不動産が熱海2棟目を中止
「先が見通せなくなった」

「新型コロナウイルスで市場環境とスケジュールが見通せなくなってしまった」

 7月10日、不動産大手の東急不動産はそんな理由から、静岡県熱海市の遊休市有地で計画中だった会員制リゾートホテルの建設を撤回した。

 計画地は、同市和田浜南町の「熱海後楽園ホテル」のすぐそば、約1万400平方メートルの敷地だ(画像の中央少し下の造成地)。もともと「熱海観光港観光施設用地」として観光施設を建設するため市が造成したが、遊休地となっていたため、2019年3月に民間から利活用の提案を募集開始。東急不動産がホテル計画を提案した。

 地上6階、地下1階、客室数約180室、52年間の一般定期借地権で借り受けて年間2400万円の賃料を市に支払うと東急不動産が提示。今年度中に地元説明を行い、来年の着工を目指していた。