女子高生若者が新型コロナの影響を被る中、高校生に関する報道は少ない。彼らはどんな生活を送っているのか(写真はイメ―ジです) Photo:PIXTA

メディアで報じられない
コロナ禍の高校生活

 7月に入ってから、新型コロナウイルス感染者の増加が止まらない。緊急事態宣言が再度発令される可能性も高まっている。生活のありとあらゆる側面が新型コロナの影響を受ける中、高校生に関する報道は少ない気がする。

 グーグル検索で「朝日新聞デジタル版」のニュース件数をカウントしてみると、キーワード「新型コロナ 大学生」では11万5000件、「新型コロナ 高校生」では3万3700件であった。筆者が「高校生に関する報道が少ない」と感じたのは、気のせいではなかった。

 高校の多くが3年制であり、高校卒業者の80%以上が大学等に進学し、大学の多くは4年制であることを考えると、高校在学者数は大学等の在学者数とあまり変わらないはずだ。ここ数年間のデータを実際に見てみると、大学と専門学校の在学者数の合計は、高校生数より若干少ない程度である。それなのに、高校生への関心は大学生への関心の3割程度にとどまっている。

「子どもの貧困対策センター・公益財団法人あすのば」代表理事の小河光治さんに尋ねると、「高校生は『何とかなっているだろう』と思われているようですが、大変な状況になっています」ということだ。

「あすのば」は例年、特に出費がかさむ年度末のタイミングに合わせて、小学校・中学校への入学、中学校卒業、高校卒業など新生活に踏み出す子どもたちに対し、「入学・新生活応援給付金」を届けている。

 3万円(小学校・中学校入学)~6万円(高校卒業生等、かつ災害で被災した場合)の給付金は、ランドセル・学習机・部活用品・自動車免許の取得費用など、幅広い用途に活用されている。年々、ニーズが大幅に増加するのに対し、同じペースで給付対象者を増やせるわけではないことが悩みの種だ。