アフターコロナの世界に起きる人類の強制進化的な生き方について書いた「仮想空間シフト」を2020年8月に山口周氏との共著で出版した尾原和啓氏と、「ビジネス系インフルエンサー」としてブログやYouTubeで今絶大な支持を集めるマナブ氏による対談後編。タイに住みながら日本向けのビジネスを行うマナブさんに「嫌いなことから逃げる生き方」について語っていただきました。(文/平澤元気)

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「組織化」のきっかけ

尾原 マナブさんは今はブログやYouTubeでの情報発信の他にプログラミングの仕事を企業から受注して行っているということですが、そちらは基本的にエンジニアの方にどんどん仕事を回していく、いわゆるディレクター的な役割をされているんでしょうか。

マナブ そうですね。最初の何年かは全て自分で手を動かしてやっていましたが、キャパオーバーしていったので徐々に外注し、組織化していきました。

尾原 そうやって、プレイヤーからディレクター的なポジションにいくきっかけみたいなものはあったのでしょうか。マナブさんのように若いうちにそのポジションになるというのは結構珍しい事例ではないかと思うんですが。

マナブ それで言うと、大学在学中にインターンで日本のIT企業に勤めたことがあって、そこでの経験が影響しているのかなと思います。

尾原 ほう

仕事が途切れない人ほど「嫌いなことから逃げている」理由写真:干川修、坂内 学 尾原和啓(おばら・かずひろ) IT 批評家。1970年生まれ。京都大学大学院工学研究科応用人工知能論講座修了。マッキンゼー・アンド・カンパニーにてキャリアをスタートし、NTTドコモのi モード事業立ち上げ支援、リクルート、ケイ・ラボラトリー(現 KLab、取締役)、コーポレイトディレクション、サイバード、電子金券開発、リクルート(2回目)、オプト、グーグル、楽天(執行役員)の事業企画、投資、新規事業に従事。経済産業省対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザーなどを歴任。著書に、『IT ビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』(共にNHK 出版)、『モチベーション革命』(幻冬舎)、『どこでも誰とでも働ける』(ダイヤモンド社)、『アルゴリズム フェアネス』(KADOKAWA)、共著に『アフターデジタル』『ディープテック』(共に日経BP)などがある。 坂内 学(ばんない・まなぶ) トップブロガー、アフィリエイター、YouTuber。 22歳の時、大学を1年休学し、フィリピンに留学。大学卒業後、フィリピンのセブ島で就職するが、11カ月で退職。フリーランスに転身。その後、起業するも失敗に終わり、27歳の時、月収5万円・貯金0に。28歳からブログに心血を注ぎ、29歳には月収3000万円を超え、時間にもお金にもゆとりのある人生にシフト。現在はバンコクを中心に南国でひきこもりつつ、ブログをはじめYouTube、Twitterなどで有益な情報を発信している。

マナブ そこの社長から、無駄な業務はランサーズで外注しなさい、と言われていたんです。外注をうまく使うことで自分のキャパ以上の仕事をするという発想はそこで養われたものかもしれません。