今回のコスト削減では、特に収益性の厳しい株式部門や投資銀行部門の一部事業の撤退や人員削減が行われ、野村が強みを持つ金融や資源セクターなどに人員を集中させる。だがこうした動きは、他部門や他地域での競争力に影響し、システムや不動産費用などの固定費負担が各部門の収益性の足を引っ張りかねない。

 また、「アジアに立脚したグローバル展開の旗は降ろさない。海外事業の撤退はあり得ない」(永井CEO)とするものの、「海外での利益率は競合他社に大きく見劣りする。人材獲得の上乗せ費用がかさんでいる上、規模が小さく固定費負担が重い」(村木正雄・ドイツ証券シニアアナリスト)のだ。

 とりわけアジアは、将来の成長を見越して外資証券をはじめ強豪がひしめき合っている。その中で利益を上げていくのには、そうとうな困難を伴うのは必定だ。

(「週刊ダイヤモンド」編集部 藤田章夫)

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