著者からのメッセージ

『Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめたワークハック大全』
ブルース・デイズリー 著/児島 修 訳、
定価1650円、ダイヤモンド社

 僕はこの10年、幸運にもグーグル、ユーチューブ、ツイッターといった最先端のテクノロジー企業で働くことができた。

 現在、管理職として働いているツイッターのロンドン支社では、訪問者が会社の雰囲気をとても気に入ってくれる。職場を改善するためのアドバイスを求められたりもする。僕はそのことを誇りに思う。

 ただ、僕が職場のカルチャーという長い間抱いてきたテーマを本格的に探究しようと決意したのは、ツイッターで辛い時期を経験したことがきっかけだ。

 当時は、みんな以前のように楽しそうには見えなかった。辞めた人もいた。会社に残った人も、疲れ、意気消沈していた。何より、僕は何が間違っているのか、どう対処すればいいのかがわからなかった。

 暗中模索の日々の中で、僕が打開策として辿り着いた方法は、ポッドキャストを始めるという意外なものだった。

 番組を録音する際に、職場を改善するために必要なことをよく理解している人たち、たとえば組織心理学の専門家をゲストに呼べると思ったからだ。

 驚いたことに、専門家たちが示してくれた答えはとてもシンプルなものばかりだった。

 そこで僕は番組の共同制作者であるスー・トッドと共に、これらのアドバイスをもとに、働き方を改善するために誰にでもすぐに実行できる8つの簡単な行動のリストをつくり、「ザ・ニューヨーク・マニフェスト」と名づけて公開した。

 反響は凄まじかった。このリストを自分たちの職場に応用する方法を詳しく教えてほしいと、警察や看護師、弁護士、銀行員などのさまざまな職場で働く人たちから問いあわせが相次いだ。

 僕はこの経験を通じて、仕事をもっと充実させるために必要な示唆を与えてくれる科学的な研究結果はまったく不足していないということに気づいた。ただ、これらのエビデンスが、みんなが日々働く職場にうまく届いていないだけだ。

 だからこの本では、専門家の知恵をとてもシンプルな30の行動にまとめた。誰もが自分で試し、チームミーティングで提案できるものばかりだ。僕が長い間慣れ親しみ、自分自身でも実践してきたものもあるし、自分や周りの人間が身につけてきた悪い習慣を直してくれるものもある。

 これまでの職場の常識を覆すものもある。もちろん、どれもとても有効だ。

 どんな職種であれ、仕事は僕たちの人生に大きな意味を与えてくれる。仕事が大好きだと公言することに抵抗を覚える人もいるかもしれない。でも、仕事を通じて幸せな人生を送っていると思うことを恥じる理由など、どこにもない。

 僕は、この本があなたをもう一度ハッピーにすることを心から願っている。

『Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめたワークハック大全』は、かつてなく情報が氾濫し、スマホの出現でオン・オフの境界線まで曖昧になりつつあるこの時代に適した「超快適に仕事で結果が出せるベスト・メソッド集」です。「最先端のアカデミックな研究」から「世界トップのテクノロジー企業の仕事術」「明日から実行できる簡単なハック技」まで、具体的かつ多岐にわたるメソッドが1冊にまとめられています。

 (本原稿は、ブルース・デイズリー著『Google・YouTube・Twitterで働いた僕がまとめたワークハック大全』〈児島修訳〉の内容を編集・加筆して掲載しています)