「あ! あの時のアレ、こうすれば良かったんじゃん!」と数ヵ月後に気が付く。
うまくいかない毎日の中で、こんな経験はないでしょうか。
どうしてその時に気づいて、カタチにしなかったのだろう。。。
博報堂のクリエイティブディレクター/CMプラナーである井村光明さんがダイヤモンド社から上梓した「面白いって何なんすか!?問題」から、一部を引用して考えてみたいと思います。

「俺もこういうこと考えたこと<br />あったんだけどなあ…」現象Photo: Adobe Stock

「あの時のアレ、こうすれば良かったんじゃん!」

とある仕事。

一生懸命考えてみたもののどうもピンと来るアイデアが出ない、または言葉が見つからない。けれど締め切りになってしまい、あり合わせのものでプレゼンし、とりあえず企画が決定し、消化不良ではあるけれども実制作して世の中に出した。

と、その数週間後か、数ヵ月後か、数年後。不意に、

「あ! あの時のアレ、こうすれば良かったんじゃん!」

と気づくことがないでしょうか。

しかもその気づいたことは、そんなに難しいことではなく、あれからの時間の中で新しく知ったものでもなく、

「どうしてあの時気がつかなかったんだろう......」

と思う些細なことであることが。

または、もっと虫のいいことに、こんなこともないでしょうか。

ある日、映画か本かCMかコピーかを見て、「あ!」

と思う。

それは面白くて目立っている。

とその時、

「あ~、こういうこと俺も考えたことあったのになぁ」

と思うことが。

まあそんな時のほとんどは、昔その断片をふと考えたことがあるだけで、その作品からは程遠いものだったはずでしょう。または、自分の好みにあまりに合っていたから自分も考えていた気になっただけで、実際には考えたことなどなかったのかもしれません。

しかし、本当に同じようなことを考えていたのに! と悔しく思うこともありませんか?

考えていたどころか、実際に書いていたりして、ちょっとこれ見てよ、俺も考えていたんだよ! と言いたくなったり。

それどころか、誰かに提案したけれど何らかの事情で採用されずお蔵入りしていたとしたら、悔しくてしょうがないですよね。

後になって、ふと正解らしきもの、に気づくこと。

何かを見て、自分も考えていたのに、と思うこと。

どうしてその時に気づいて、カタチにしなかったのだろう。

どうしてなのでしょう?