賢人#17Photo by Yoko Akiyoshi

企業を取り巻く環境は不確実性を増している。先が見えない。企業は経営の仕組み全てを変え、イノベーションにつなげないと淘汰されてしまう。入山章栄氏が「この数年間は、その最後のチャンスだ」と強く訴えかける。特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#17では、その理由を聞いた。(ダイヤモンド編集部論説委員 小栗正嗣)

なぜ変わることができないか
企業の変身を阻む「経路依存性」

 コロナ禍の前と後で、会社が目指すもの、方向性は全く変わっていないと、僕は理解しています。

 企業間競争が厳しい上に、デジタル技術、AIといった変化も激しい。要は先が見えない。そういう時代に現状維持という選択肢はあり得ない。やっぱり自らどんどん新しいものを取り入れて変化していく、つまりはイノベーションを起こして前進するしかない――。これはコロナ前から申し上げていたことです。

 そして、コロナによって不確実性がさらに増大した。いよいよもって変化しないと、会社は生き残れない。今、起きていることは方向転換ではなく、加速なんじゃないでしょうか。

 もう変わるしかない。ここで理解すべきことは、何でこれまで変われなかったのかです。理由は二つあります。