経済学者、起業家、ニューヨークタイムズ紙など、多方面から絶賛を受ける人生のバイブル『DIE WITH ZERO』の邦訳版が9月29日に発売となる。人生をもっとも充実させるために、金と時間をどう使うべきか? タイトルにある「ゼロで死ね」の真意とは? さまざまな気づきを与えてくれる本書の邦訳版『DIE WITH ZERO ~人生が豊かになりすぎる究極のルール』から、その一部を抜粋して紹介する。

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若い頃に、はした金を貯めるな

 この本の冒頭では、私が20代のときに上司からバカだと叱責されたエピソードを紹介した。安月給をやりくりして金を貯めていることを誇りに思っていたら、上司のジョー・フレルに「これから収入は増えるのだから、今稼いでいる金を使わないのはおろかだ」とたしなめられた話だ。

 このアドバイスはジョーのオリジナルではない。若いときは節約よりも自由に金を使うほうが合理的だという考えを支持する経済学者は多い。

 それは、私たちが大人になる過程で聞かされ続けてきたこととは違う。誰もが8歳や9歳になると、親から誕生日のお小遣いは全部使うのではなく、少しは貯金しておくべきだと教わる。大人になったら、ファイナンシャルアドバイザーから、できるだけ早いうちに給料の一部を貯蓄に回すべきだと言われる。

『Freakonomics』(邦題『ヤバい経済学』、望月衛訳、東洋経済新報社刊)の著者として有名な経済学者スティーヴン・レヴィットも、シカゴ大学に着任したとき、ホセ・シャインクマンという年上の教授から、節約などしないで積極的に金を使うべきだと忠告されたという。シャインクマン自身、シカゴ大学の有名な経済学者であるミルトン・フリードマンから同じアドバイスをされている。

「これから給料は上がっていく。君が稼ぐ力は右肩上がりだ」

 レヴィットは、先輩のシャインクマンの言葉を回想する。

「だから今は節約するのではなく、むしろ金を借りるくらいでちょうどいい。10年後や15年後の今よりも豊かな暮らしを想定し、今からその通りに暮らすべきだ。倹約の大切さを教わった中流階級の家庭で育った私でもこう言える。今の君が金を惜しんで貯金に勤いそしむのはバカげている」

 レヴィットは、これまでの人生でこれほど価値のある経済的アドバイスをされたことはないと言う。

(本原稿は、ビル・パーキンス著、児島修訳『DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール』からの抜粋です)