部下から慕われる上司が実践している「2.5人称」の話し方とは一緒に同じ方向(目標)を向いて部下を導いたり、仕事に取り組んだり、問題を解決していく。そんなイメージで部下と向き合うことが大切(写真はイメージです) Photo:PIXTA

近年、「自分の意見をハッキリ言えない」「ちょっと注意をしただけで、すぐに心が折れる」といった繊細な若手社員が増えています。さらに、新型コロナ禍でオンライン会議、リモートワークなど働き方が変化したことで、ステレオタイプな上司と繊細な部下の溝はますます深くなっているといいます。この先、ウィズコロナに対応した新時代の職場のコミュニケーションをあらためて見直す必要性があるでしょう。そこで前回に続き今回は、産業カウンセラー・渡部卓氏の新刊『あなたの職場の繊細くんと残念な上司』(青春出版社)から、新時代の若手の力を引き出すコミュニケーション方法を紹介します。

できる上司は部下に「2.5人称」で話す

 前回、若い世代における価値観、メンタル、仲間意識などの潮流が変わってきたことを解説してきました。そしていま、ウィズコロナによって職場での新しい関係性が求められています。

 当然、ビジネスにおいて、若手社員を導くリーダーシップも以前とは変わる必要があります。従来は会社で働くビジネスパーソンの仕事観やキャリア観はほぼ一元的なものでした。高い愛社精神を抱き、上司に従って、出世の道を目指す。全国のビジネスパーソンが大なり小なり、同じような価値観で仕事に取り組んでいたのです。