パソナグループが本社機能を淡路島へ移転することになった。4年計画で管理部門の社員1800人のうち3分の2の社員を異動させるという。モチベーションファクターに照らすとこの割合は理にかなっているが、大事なことは、どのような環境変化に直面しても慌てないだけのバックアッププランを備えておくことだ。(モチベーションファクター代表取締役 山口 博)

「3分の2異動」が
“理にかなっている”と言えるワケ

パソナ本社移転で考える、組織の変化を受け入れるか否かの判断基準パソナグループは本社機能を淡路島へ移転すると発表した Photo:PIXTA

 人材派遣大手のパソナグループが、東京の本社機能を淡路島へ移転するニュースが物議をかもしている。管理部門の社員約1800人のうち、来年春までに400人、2024年5月までの4年計画で1200人の社員を異動させるという。

 このニュースを聞いて、自分の勤務先がどこかの島に移転することになったならばどうだろうかと、想像した人も少なくないはずだ。胸がときめいた人もいるだろうし、トンデモないと抵抗感を覚えた人もいるだろう。

 その違いは、自分のモチベーションファクターに照らして考えてみると、わかりやすい。モチベーションファクターとは、モチベーション、つまり自分の意欲が高まりやすい要素のことだ。私はモチベーションファクターを、目標達成型、自律裁量型、地位権限型、他者協調型、安定保障型、公私調和型の6つに分けて捉えている。

「チャレンジすること」「任されること」「責任を果たすこと」「協力し合うこと」「リスクを回避すること」「バランスをとること」、自分の意欲が高まりやすい要素がどこにあるかで分類する。

 日本のビジネスパーソンのモチベーションは、この6つにだいたい均等に分布している。目標達成型、自律裁量型、地位権限型の要素が強い人を牽引志向、他者協調型、安定保障型、公私調和型の要素が強い人を調和志向と呼んでいるが、牽引志向と調和志向は、51.4%:48.6%と均等に分かれる。