ドラマのプロデューサー増本 淳氏は、こう語っています。

「価値観が多様化しているなかで、何がカッコ良いのかなとみんなで考えたのですが『なんだかんだ言っても仕事を頑張っている男ってカッコ良いよね』という話になりました。なかでも、絵空事じゃない地に足のついた夢を語って、世の中に発信できる男こそがドラマの主人公として相応しいと」ORICON BiZ online 2012.8.27 より

バブル崩壊直後に放送された
「101回目のプロポーズ」

 1987年から始まったこのフジテレビの“月9枠”のドラマは、常にその時代を象徴するキャラクターを登場させてきました。

 1991年の「101回目のプロポーズ」では、再び恋人を失うことを怖いと告白する浅野温子演じる矢吹 薫の前で、武田鉄矢演じる星野達郎がダンプカーの前に突如飛び出し、間一髪でダンプカーが止まった後、「僕は死にません。僕は死にません! あなたが好きだから、僕は死にません。僕が、あなたを幸せにしますからぁ!」と絶叫しました。そのセリフは、その年の流行語にもなりました。

 中年男の星野達郎は、お見合いをしても失敗の連続で、99回振られ続けた挙句100回目のお見合い相手が美人チェロ奏者の矢吹 薫。

 星野は一目ぼれして追いかけまくるが、恋は実らず、最後は会社を辞め、身を持ち崩すことに。最終回、夜の工事現場で働く星野の目に飛び込んできたのは、ウェディングドレスをまとった薫が自分に駆け寄ってくる姿だった――。

 バブル時代、女性が結婚相手に求める条件は、「三高(高学歴、高身長、高収入)」でした。そのどれにも当てはまらない、何の取り柄もない中年男の星野達郎が最後は高嶺の花の美女を射止める話は、バブル崩壊直後というタイミングで浮かれた時代への戒めだったのかもしれません。