「リッチマン、プアウーマン」発
「日向 徹現象」とは?

 2012年夏の連続テレビドラマのなかで私が個人的に最も好きだったのが、フジテレビ系列の“月9枠”で放送された「リッチマン、プアウーマン」です。

 7月9日から9月17日まで全11回が放映されたこの作品をはじめ、今年の夏クールのドラマは、ロンドンオリンピックの開催日程と重なることから視聴率の苦戦が予想されていました。

 ビデオリサーチによれば、「リッチマン、プアウーマン」も第6話(8月13日放送)で10%を割る視聴率となったもののその後盛り返し、最終回前の第10話(9月10日放送)では15.8%を記録し、フィナーレに向けて一気に盛り上がりました。

 最終回終了直後、さまざまなウェブ上の書き込みを見てみると、次のような絶賛のコメントが溢れていました。

「やっぱり、最高のドラマでした! see you again って、SP期待していいのかな? それとも、続編?? ぜひ、頼みます!!」

「今まで見てきた“月9”のなかで、お世辞じゃなく一番面白くて引き込まれたドラマでした!!!」

 このドラマは、高卒ながら29歳にして個人資産250億円、時価総額3000億円ともいわれるIT企業「NEXT INNOVATION」社長の主人公・日向 徹(小栗 旬)と、東大生でありながら就職活動に苦戦している大学4年生のヒロイン・夏井真琴(石原さとみ)とのシンデレララブストーリーです。

 この夏、私の周りでもちょっとイケてる若いIT関係者を「あいつ、日向 徹っぽいよね」と評される「日向 徹現象」が起こっていました。

 主演の小栗は、自身で日向 徹のキャラクターに通じる人物としてスティーブ・ジョブズを挙げており、また番組サイトによる「イントロダクション」では、起業プロセスが似ている人物の例としてFacebook創業者のマーク・ザッカーバーグが紹介されています。

 一方でこのドラマを観て、日向 徹と「NEXT INNOVATION」に、かつてのホリエモンとライブドアを重ねてしまう人も多かったのではないでしょうか。