ゼネコンの呪縛#3Photo:kyodonews

3カ年中期経営計画の最終年度を迎える直前の2020年3月、大成建設の村田誉之社長(当時、現副会長)は辞任を覚悟した。中計の目標未達が明らかになったからだ。引責辞任の裏には不採算工事があり、下請け業者の怒りと涙があった。特集『ゼネコンの呪縛』(全20回)の#3では、受注競争と重層下請け構造のゆがみに迫る。(ダイヤモンド編集部 松野友美)

ナンバーワンを狙って目標を上げ過ぎた
中計未達のけじめで社長交代

「業界ナンバーワンを狙って目標を上げ過ぎた。それから、おかしくなったんでしょうね」

 今年6月に大手ゼネコンの大成建設の村田誉之社長(現副会長)が社長を辞任したことに対して、あるゼネコンの首脳はそう語った。

 大成は中長期の目標として「事業規模2兆円」を掲げた。2020年3月期売上高(連結)でトップの大林組は2兆0730億円、2位の鹿島は2兆0108億円。大成はこれらに肩を並べようとしたのである。

 村田氏は社長交代を発表した会見の場で、18~20年度中期経営計画(次ページ参照)の未達が見えており、「執行部門の長としてけじめをつける」という意味での辞任だと自ら説明した。