60兆円の借金を20年で返済する場合と比較し、
10年で返済する場合にそれが経済に及ぼす
損失コストを一定の前提で試算したもの

60兆円の借金を20年で返済する場合と比較し、10年で返済する場合にそれが経済に及ぼす損失コストを一定の前提で試算したもの出所:筆者試算

 菅義偉・新政権がスタートした。新型コロナウイルスの感染拡大は現在も継続しており、政府・与党は第3次補正予算を編成し、2021年1月の通常国会に提出する予定だ。

 20年度の国の一般会計は、当初予算の約102兆円から約160兆円に膨張。主な財源は国債発行で賄っており、コロナ危機が収束するまでは難しいが、この借金はいつか返済する必要がある。

 では、60兆円の借金を10年で返済する場合と、20年で返済する場合では、マクロ的に見て経済に及ぼす影響はどの程度異なるのか。当然、国債を償還する財源などによって影響は異なるが、現在は低金利のために国債の利払い費は考慮せず、消費税率の引き上げで返済するケースで概算してみよう。