米中戦争回避が最大の国益、「共通の価値観」に基づく同盟関係の嘘ポンペイオ米国務長官と会談を行った菅義偉首相 Photo:Anadolu Agency/gettyimages

 トランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染、ホワイトハウス職員や政権関係者30人以上が感染者となる混沌とした情勢の中、ポンペイオ米国務長官が4日から6日まで来日し、日米豪印4カ国外相会議が開かれた。

 この4カ国は2007年以来QuAD(4カ国戦略対話)と称する非公式な同盟関係を結んでいるが、米国はこれをNATO(北大西洋条約機構)に準じた公式の同盟関係にし、中国包囲網を結成しようとしている。

 その看板は「共通の価値観」だが、米国の言う「共通の価値観」というのは怪しいものだ。

日本と米国は
「普遍的価値観」を共有するのか

 トランプ大統領は「アメリカ・ファースト」を公言し、米国が主導していた「TPP」(環太平洋パートナーシップ協定)や、気候変動対策を定めた「パリ協定」、イランの核開発を規制する「イラン核合意」から相次いで離脱した。