営業マンの「会食での気遣い」から見える、一流と三流の差写真はイメージです  Photo:PIXTA

トップ営業は、商談のトーク力だけで商品を売っているわけではない。小手先のテクニックだけではダメで、気遣いがどこまでできるかが鍵だ。気遣いがわかりやすく見えるのが、会食。筆者が出会った「デキる営業」の会食での気遣いとは?(営業サポート・コンサルティング代表取締役、営業コンサルタント 菊原智明)

トップ営業はどんな商談をしているか

 私がダメ営業スタッフだった時代のこと…。トップ営業スタッフが商談している様子をのぞき見ては、「きっと何か特別なトークや必殺ワザを使っているに違いない」と思っていたものだ。

 折を見てトップ営業スタッフに「ぜひ必殺トークを教えてください」と聞いてはみたものの、はっきりとした答えは言ってくれない。その時は「まぁ、そう簡単に教えてはくれないよなぁ」と思っていたものだった。

 営業は“何かを言ったらすぐに売れる”といったものではない。私が「ダメ営業」だったのは、そもそもトーク以前の心構えが問題だった。それを理解するまでずいぶんと時間がかかった。

 営業コンサルタントとして多くのトップ営業スタッフとお会いする機会があるのだが、この方たちが実際に商談している場面を見せていただくこともある。それだけでもすごさがわかるのだが、ちょっとしたやり取りで「これなら結果が出るのも当然だ」という気持ちになることも多い。