新型ウイルスPhoto:Westend61/gettyimages

 次に起こる危険な新型ウイルスの流行の初期対応はこうなるべきだ。

 ある都市の一部の住民が熱やせきを発症し、数人が入院する。機械学習アルゴリズムによって、スキャンした患者の肺の異常が速やかに検出される。科学者が、日常的に収集している血液サンプルに奇妙な感染のパターンを発見する。それは、謎の病原体が拡散していることを示している。

 双方のシステムが公衆衛生当局にアラートを発信し、当局が数時間以内に新型ウイルスを特定。調査員の一団が派遣され、病気を発症している人やウイルスにさらされた人たちを隔離・治療することで封じ込めが図られる――。

 新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で得られた最大の教訓の1つは、スピードが物を言うということだ。急速に広がるウイルスを見つけ、阻止するチャンスは極めて限られており、ミスは許されない。

 英医学研究助成基金ウエルカムトラストの代表を務めるジェレミー・ファラー氏は「こうした疫病で後手に回れば、形勢逆転は非常に難しい」とし、「措置の後れは惨事を招く」と述べた。

 公衆衛生当局者や科学者は今、次のパンデミックを回避するための戦略を立てる上で、コロナの教訓を生かそうとしている。肺のスマートスキャンや血液サンプルの検査は対策案の1つだ。彼らは新たなツールや手法を使用し、感染を拡大前に検出し、流行の芽をつぶし、より優れた公衆衛生システムや治療薬、ワクチンで迅速に対応し、世界的な連携を向上させ、世界保健機関(WHO)を強化することにも取り組んでいる。