松本 大松本 大(まつもと・おおき)/マネックスグループ 取締役会長兼代表執行役社長CEO。1963年、埼玉県生まれ。1987年、東京大学法学部卒業。ソロモン・ブラザーズ・アジア証券を経てゴールドマン・サックス証券に勤務。1994年、30歳で当時同社最年少ゼネラル・パートナーに就任。1999年、ソニーとの共同出資でマネックス証券を設立。2004年にマネックスグループを設立し、以来CEOを務める。東京証券取引所の社外取締役を2008年から2013年まで務めた他、上場企業数社の社外取締役を歴任。現在、米マスターカードの社外取締役でもある(撮影/小山幸佑)

 企業の社長は何を食べ、いくら持っているのか。アエラ増刊「AERA Money」連載、「社長のカネとメシ」の2回目はマネックスグループのトップ、松本大さんだ。

「大学を出て就職してからの33年間、ランチはほぼ自分のデスクで食べていますね」

 東京・赤坂のマネックスグループ本社へ取材に訪れた7月某日、松本さんの昼食は「鳥の七味焼き弁当」550円だった。

 ピリ辛の鶏肉やタルタルソース添えのフライ、卵焼き、煮物。黒ゴマと梅干しがのった白米。シンプルな昼食が松本さんのお気に入りだ。オフィスで出張販売されている弁当ショップで買う。

 東京大学法学部を出て松本さんが最初に選んだ職場は、当時は世界最強の証券会社だった米ソロモン・ブラザーズ・アジア証券。その後、ゴールドマン・サックス証券に移ると史上最年少(当時)の30歳でゼネラル・パートナー(共同経営者)に就任したが、ほどなく退職した。

 松本さんはマネックス証券を起業し、日本に低価格のインターネット取引を根付かせた功労者の一人でもある。この間、目の回るような多忙が続いた。仕事上の会食を除けば、判で押したようにランチはずっと机の上だった。