引くに引けない状況に陥り、エスカレートする日本と中国の尖閣諸島をめぐる綱引き。中国側の機関紙では、経済制裁の言葉まで躍る始末。さながらチキンレースの様相を呈している。(「週刊ダイヤモンド」編集部 前田 剛、宮原啓彰)

「日本はさらに10年を失いたいのか。もしくは、20年後退する準備があるのか」──。

 尖閣諸島の領有権をめぐり、中国共産党機関紙「人民日報」(17日付)の海外版が、その論説において、経済制裁の発動までちらつかせた。

「日本の製造業や金融業、特定輸出商品、投資企業、戦略物資の輸入のいずれもが目標になり得る」という同紙に呼応するように、中国国営放送のCCTV(中国中央電視台)が3日間、日本製品の広告宣伝を一切止めたとされる。これには「中国共産党が『日本製品を買うな』と言っているのに等しい」と現地に駐在する電機メーカー幹部も驚きを隠さない。

 一方、水面下でも「中国は徐々に日本からの輸出入品の貨物検査率を上げており、通関に影響が出始めている」(大手商社幹部)。中国による対日経済制裁は、一部で実質的に始まっているのだ。

 この状況に「中国に首根っこをつかまれている」と震え上がるのは、自動車メーカー幹部だ。総販売台数の4分の1を中国市場に依存する日産自動車をはじめ、自動車メーカーは軒並み、対中依存が極めて高いからだ(下表参照)。