サイゼリヤ
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コロナ禍での外出自粛生活により多くの企業が業績不振に陥っている外食業界。そうしたなかイタリアンレストランチェーン「サイゼリヤ」を展開するサイゼリヤ(埼玉県/堀埜一成社長)は、すでに店舗運営における抜本的なコスト削減や、テイクアウトサービスの提供などに動いている。広がりを見せる中食市場を含めて今後いかに成長を図るのか。堀埜社長に聞いた。

価格末尾を00円・50円に統一した意外な効果

――コロナ禍で「サイゼリヤ」の利用動向はいかに変化していますか。

堀埜一成
ほりの・いっせい●1957年富山県生まれ。81年3月京都大学大学院農学研究科修了。同年4月、味の素入社。グルタミン酸ナトリウムの製造、医薬用アミノ酸の製造・改良などに従事。2000年4月、サイゼリヤ入社。同年11月、取締役就任。神奈川工場や福島工場、オーストラリア工場を立ち上げる。エンジニアリング部長を経て09年4月社長に就任

堀埜 以前と比較して顕著なのはファミリー層の来店が少なくなったことです。子供への感染リスクの懸念があるからでしょう。

 既存店売上高は、全国的に緊急事態宣言が発令された4月に対前年同月比で38.6%まで落ち込みましたが、直近の8月には同71.5%まで回復しました。

 足元の数値で留意してほしいのは、営業時間を22時までに短縮させ、さらに人と人との接触リスクを抑えるために店内の席数を減らしている点です。稼働率は前年同月と比べて7割程度であることから、現在営業できる範囲ではお客さまの利用を獲得できていると考えています。

―― 一方で、客単価は好調です。8月は同101.8%と伸びています。

堀埜 大きな要因は価格改定です。7月1日から、精算時の釣銭の受け渡し時間を減らすために、全メニューの税込価格の末尾を00円または50円に統一しました。

 有難いことに価格改定を機に、一般の方が「サイゼリヤ1000円ガチャ」というWEBページを制作してくださり、話題を集めました。合計金額が1000円ちょうどになるさまざまなメニューの組み合わせをランダムに提示するもので、面白さからそのとおりに注文されるお客さまが多く、これが客単価アップにつながっています。

――感染リスクを減らすために外食を減らす消費者が増えています。そうしたなかいかに利用客を獲得していきますか。