保守系政党をまとめられる
有力な政治家がいない

 文在寅政権の支持率は下落傾向にある。一時は支持率が39%に対し、不支持率が53%にまで上がった。また政党別では「共に民主党」支持33.4%、当時の保守系政党「未来統合党」支持36.5%と保革が逆転した。

 しかし、新型コロナ感染の再拡大で、コロナ対策に成功した文在寅氏に対する支持が再び上昇、現在は40%台中盤に戻している。それでも度重なるスキャンダルの影響で、固定的な政権支持基盤ともいえる、30代の女性や20代、30代の男性の支持が離れていることは政権にとっての懸念材料である。

 一方、文在寅政権の支持率の下落は保守系政党の支持率回復にも直結していない。その最大の理由が有力な大統領候補がいないということであろう。これまで、保守系政党の中で主導権争いに埋没し、保守政党をまとめる有力な指導者が出てこなかった。有力な指導者、大統領候補がいないということが、保守系政党への幻滅感につながっている。

 そのため、一般国民の間でも既存の政治家への期待感は高くない。これまで名前の挙がっている政治家には魅力がない。新しい政治家に出てきてほしいという雰囲気が急速に高まっている。

 そうした中、保守系や知識人の期待を集めているのが尹錫悦氏である。尹錫悦氏は青瓦台のスキャンダルに果敢に立ち向かった。秋法務部長官の人事権乱用や指揮権発動という妨害工作に遭遇したが、じっと耐え不正を暴く機会をうかがっている。

 こうした尹検事総長の正義感、ゆるぎない姿勢が保守系をまとめることができる人物と映ったのであろう。それは、文在寅政権という独裁体制に立ち向かう旗頭であり、尹総長が大統領候補となれば、これに対抗する保守系政治家はいないように思われる。