まったく6年前よりもひどい。あの頃もひどかったが、少なくとも、その前の小泉政権で、世界でも類を見ない記者クラブ制度のこうした談合実態は、少しずつではあるが改善に向かい始めていたのだ。

政治とメディアの関係に
無理解だった「お友達内閣」

「なにやってんだか。まだそんなことやってんのか」

 総裁選当日、この話を薬師寺克行元朝日新聞政治部長に伝えるとこう返ってきた。

 周辺が安倍氏の評判を下げる。側近は自己保身のために都合の悪い事実を上げない。結果、安倍氏自身の信頼が失墜し、統治力を失っていく。

 6年前の『官邸崩壊』で描いたあの悲劇がまた繰り返されようとしている。

 1955年以降、いくつもの政権が生まれ消えていった。筆者が取材をしたのは小渕政権以降だが、政治とメディアの関係を最も理解していない政権の一つが安倍氏の時代だと言っていいだろう。

「お友だち内閣」はメディアとの関係でも同じだった。耳触りの良いことをいう記者を周辺にはべらせ、自らを批判する者は徹底的に避ける。結果、偏った、しかも都合のいい情報が繰り返しもたらされることになる。

「私はかつて、総裁・総理として、政権を担いました。その中で、挫折も含めて、様々なことを経験してまいりました。国民の皆さまにも、本当にご迷惑をおかけしました」

 平河クラブの記者からの都合のいい質問に答える形で安倍総裁はこう語りはじめた。自らの政権運営の失敗を、単に自らの挫折と言い切ってしまう無責任さは相変わらずのようだ。