地域の特産品を扱う「アンテナショップ」は、現地に行かなくても地方の品物が手に入る、地方の広告塔のような存在。かつては都道府県の店舗が主流だったが、最近はより細分化された“市町村アンテナショップ”が注目を集めているという。(清談社 真島加代)

自治体アンテナショップの
都内店舗数が過去最高に

銀座で買い物Photo:PIXTA

 地方の特産品を取りそろえて、都市部に店舗を展開する「アンテナショップ」。以前は、47都道府県のアンテナショップが一般的だった。しかし近年では、北海道美瑛町「丘のまち美瑛」や兵庫県洲本市の「日本橋室町 すもと館」などの“市町村アンテナショップ”が続々とオープンしている。

「5年前にスタートした『地方創生』以降、さまざまな面で地方が注目を集めるようになりました。同時に、地方も都市部に住む人たちに向けて、より熱心に“地域の魅力発信”に取り組んでいますね」

 そう話すのは、一般財団法人地域活性化センターの広報室長・畠田千鶴氏。その地域の魅力発信の一端を担っているのが、アンテナショップだという。

「都道府県や市町村のアンテナショップは、都会から地方への“送客口”として機能しています。昔は、主に特産品を売るだけの場所でしたが、現在は観光や移住、ビジネス支援などのプロモーションの場へと変化しています。さらに、東京五輪の開催が決まってから、インバウンド客にも対応できるようにリニューアルしたり、新設したりする店舗も増えています」