独学力#8Photo:PIXTA

ビジネスの現場で重要性が高まり続けている「論理的思考=ロジカルシンキング」。これは、独学で身に付けた知識を本当に理解するためにも必須となる。その論理力を鍛えるために学び直すべきなのが国語(現代文)だ。予備校のカリスマ講師として何人もの生徒に現代文を教えてきた出口汪氏は「論理力はトレーニングすれば誰でも必ず身に付けることができる」と断言する。特集『あなたの人生を変える!「独学力」』(全10回)の#8では、その出口氏が論理力を鍛えるためのポイントを伝授してくれた。

「週刊ダイヤモンド」2017年10月7日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの

論理力を鍛えれば
全てのスキルが上がる

 ビジネスで必要とされる論理力を鍛えるためには、一体何を学べばいいのだろうか――。

「数学」と答える人が多いだろうが、他にもっと重要な科目がある。「国語」だ。ビジネスの現場では、人に物事を説明したり、交渉したり、文章を書いたりする。それら全てのビジネススキルの土台となるのが論理力であり、国語(現代文)を学ぶことによって鍛えられるのだ。

「論理力とは、筋道を立てて考え話す力。これは頭の良しあしではなく、トレーニングすれば誰でも必ず身に付けることができる」

 予備校のカリスマ現代文講師として生徒に教えてきた出口汪氏は、自身の経験からそう断言する。

 では、どうすれば論理力を鍛えることができるのか。

 最も重要なのは、「他者意識」を持つこと。他者を意識すると、話し方が変わり、文章の読み方も書き方も変わる。例えば、本を読むとき、多くの人は文章を主観的に読みがちだ。それでは、どんな名作を読んだとしても、自分と自分の対話で終わってしまう。そうではなく、筆者=他者を意識して読むと、読書が自分と筆者の対話になる。

 試しに、下の問題1を解いてみてほしい。文章を主観的に読んでいると正解にたどり着けない。筆者の視点を意識して読むことができるかどうかがポイントだ。

【問題1】
次の文の傍線部に対して、筆者の立場は肯定か、否定か。そして、それはどの言葉から判断ができるのか答えなさい。

 狂気の主人公が登場する映画で、主人公が髪を振り乱し、血走った目で殺戮するシーンがあるのですが、観客に何とも言えない不快感を与える名シーンです。

【ここに気をつけよう!】
 私たちは文章を主観的に読みがちです。問題文の中に「狂気」「殺戮」といった否定的な言葉があるので、主観的な頭の使い方をしていると、こうしたマイナスイメージに引きずられやすくなります。