中国は、米政府内に「強力な親中派グループ」を組織し、「反中政策」を転換させることにした。

 ピルズベリーによると、「親中派グループ」には、国家安全保障担当補佐官トニー・レイク、副補佐官サンディ・バーガー、国家経済会議議長ロバート・ルービン、財務次官ローレンス・サマーズなどが含まれていた。

 ルービンは、元ゴールドマンサックス会長で、後に財務長官になっている。クリントン時代の好景気は、主に「ルービンの功績」といわれるほどであり、超優秀な人物だ。

 サマーズは、ハーバード大学の経済学者で、ルービンの後に財務長官になった。「親中派グループ」は、政治家の味方を増やしていった。

 そして、何が起こったのか?

<ついに1993年末、中国が現在、「クリントン・クーデター」と呼ぶものが起きた。
 中国に同調する面々が大統領に反中姿勢の緩和を認めさせたのだ。
 クリントンがかつて約束したダライ・ラマとの新たな会談は実現しなかった。
 対中制裁は緩和され、後に解除された。>(「China2049」143p)

 ここで、米中関係は、根本的に変化した。

 1991年末までは、「対ソ連同盟」だった。それが1993年以降は、「金儲け同盟」になった。グローバリスト、国際金融資本は、世界一の潜在力をもっていた中国と良好な関係を築くことで大儲けすることにしたのだ。

 グローバリスト、国際金融資本の代表的人物ジョージ・ソロスは、2010年11月16日の「フォーリン・ポリシー」で、

<米国から中国への、パワーと影響力の本当に驚くべき、急速な遷移があり、それはちょうど第二次世界大戦後の英国の衰退と米国への覇権の移行に喩えられる>

<「今日、中国は活発な経済のみならず、実際に、米国よりもより機能的な政府を持っている」という議論を呼ぶであろう>

 と語った。

 彼は、08年のリーマンショックから始まった米国発「100年に1度の大不況」で、米国から中国に覇権が移りつつあることを、むしろ「歓迎するように」語っている。そして、中国政府は、米国政府より「機能的だ」と絶賛している。

 この当時であれば、「グローバリストは親中」といっても、間違いではなかっただろう。

 しかし、その後状況は変わった。