いま世界で金利の二極化現象が起きている。

「リスクオフ」によって投資資金が南欧国債から流出し、日米独の国債に流れ込んでいるのだ。このため、南欧諸国の国債金利が高騰し、日米独の国債金利が歴史的な低水準に落ち込んでいる。

 こうした現象が起きていること自体は、明らかだ。しかし、これが起きたメカニズム、それに至る経緯、それ以前に生じていたこと、等々については、はっきりしている点と、よくわからない点がある。

 アメリカを中心に見ると、「何が起きたか」という事実は、はっきりしている。

国際的な資金の流れの
変化を3期に分ける

 2007年以前から最近にかけて、国際的な資金の流れが大きく変化した。これまでの回で示してきたデータを援用しつつまとめてみると、つぎの3期に分けることができる。

 まず第1期は、07年の金融危機以前の状況である。この時期には、アメリカへの巨額の投資資金流入があった。

 イギリスからアメリカへの投資だけを見ても、04年以降、毎年4000億~5500億ドル程度の巨額の資金流入があった。そのほぼ半分は、MBS(住宅ローンの証券化商品)に投資された。アメリカで住宅価格バブルが起こり、それを背景として、MBSが高い利回りを提供できたからである。

 第2期は、08年と09年だ。アメリカの住宅価格バブルが崩壊し、金融危機が生じた。このため、アメリカからの投資引きあげが行なわれた。

 イギリスとの関係だけを見ても、08年にほぼ3000億ドルの投資が引きあげられた(ただし、08年には、アメリカのイギリスに対する投資も5000億ドル程度引きあげられたので、ネットではイギリスからアメリカへの資金流入となった)。

 09年には、イギリスのアメリカに対するネットの投資は、3000億ドルを超えるマイナスとなった。