総予測#33Photo:Naoki Nishimura/AFLO

コロナ禍が経営を直撃している百貨店業界。年々客足が遠のくという状況にもある中で、各社は生き残りをかけてどう構造改革を進めていくのか。特集『総予測2021』(全79回)の#33では、21年の百貨店業界を大胆に予測する。(ダイヤモンド編集部 中村正毅)

「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

コロナ禍によって
さらに遠のいた百貨店の客足

 かつて「小売りの王様」と呼ばれた百貨店が、業績不振にあえいでいる。

 目下の最大の要因は、コロナ禍による売り上げの減少だ。

 市中感染が広がり始めた2020年3月以降、都心部の店舗は時短営業や一時休業を迫られ、加えて好調だった訪日客消費が激減したことで、20年度上期の各社の売上高は、軒並み3~4割の大幅な減収に見舞われた。

 さらに業界にとって悩ましいのは、今後コロナが終息したところで、百貨店自体の構造不況という本質的な課題を、改めて突き付けられてしまうということだ。

 百貨店業界は、1991年のバブル経済崩壊を機に一転して市場が縮小し始め、今でもその流れが止まらない状況にある。