(5)竹中平蔵氏

「安倍首相」が実現した場合、日銀総裁候補の1人として、竹中平蔵氏を考えてみる価値がありそうだ。デフレ脱却に対して積極的な政策を採ることは間違いないだろうし、竹中氏はコミュニケーション力が優れているので、情報発信面でも期待できる日銀総裁になるだろう。

 また、現在日銀は、総裁人事以外に、日銀法改正に向けた動きにどう対処するかという問題を抱えている。民主党にも自民党にも、日銀を政府の政策目標に従わせるためには、現在の日銀法を改正した方がいいと主張する議員が相当数いる。

 竹中氏が、日銀総裁の立場でありながら、日銀の中からわかりやすい言葉で、「中央銀行の独立性は、政策目標の独立性ではなく、政策手段の独立性であり、この関係を今後も含めて法律にきちんと定めておく方がいい」ということを国民にも訴えるなら、日銀法の改正に向けて、事態は大いに前進するのではないか。

 竹中氏の場合、小泉政権時代の有力閣僚としての「政治的な色」が着きすぎていることが障害になりそうだ。そして、ご本人が学者としては意外なくらい政治的な実力をお持ちだが、これは悪いことではない。

 官僚を動かすツボや、法律のどこを動かせばいいかなどについて、官庁的組織のトップがよく知っていることは、いいことだ。竹中氏は、官僚(財務省)や準官僚(日銀)にとって、手強い日銀総裁になるのではないか。

興味を含めてでもいいから
総裁人事に注目し、議論しよう

 もちろん、本稿で名前を挙げた方以外の方が候補に上る可能性が多々ある。最後に再び強調するが、日銀の政策は日頃から重要だし、現状の日本にあってはとりわけ重要だ。

 読者には、下世話な興味も含めてでもいいので、日銀の総裁人事に大いに興味を持って欲しい。大いに注目し、議論しよう。